また、地域によっては、山のほうだと、冬は雪が深く、農産物を育てられないところもあります。
そして今、山側地域で問題になっているのが鳥獣被害です。
イノシシなどが田んぼや畑にやってきて、農作物を食べる被害が多発しています。
害虫対策に比べると、比較にならないくらい獣害対策は手間もコストもかかります。
ただ、現在では、地域ぐるみで柵をつくるなどの対策をしていますし、山ならではの魅力というのも確かにあります。
「経営」の観点と
家族の生活を含めた“鳥の目”で
ともあれ、漠然としたイメージや雰囲気だけで決めるのはご法度。
一度耕した農地からは簡単に引っ越せませんから、「経営」という観点と、家族の生活を含めた“鳥の目”で見ていくことが大切です。
家に関しては最初から建てるのではなく、空き家バンクや伝手をたどり、いったん借りることをおすすめします。
生活してみないと必要なものがわかりません。家を建てるなら、その後でも十分間に合います。
農業だけでなく、加工して直売・教室をするなら、一軒家で、欲を言えば独立した車庫(納屋)があると便利です。
農業道具を置いたり、農作業や加工作業、イベントなどがやりやすくなるからです。
農家仲間のひとりに、金沢の山のほう(市街地から車で15分ほど)で新規就農した方がいます。
その方は、畑を貸してくれているオーナーに「空き家になっている家を月々5000円で好きに使っていいよ」と言われました。
住まいは別にあり、そこをコミュニティスペース「結」としてイベント専用スペースとし、オーガニックな映画の上映、梅干や梅ジュースづくり会、マッサージスペースなど、様々なことに活用しています。
今、地方では、空き家が大きな問題になっていますが、人が住まないと家はすぐにダメになってしまうので、こういった感じで使ってほしいというオーナーも増えているのです。