「野菜は足音を聞いて育つ」
――後悔しない農地の選び方

 これから「小さい農」をやろうという人が一番大変なのが農地探しです。
 しかし、逆に農地を選べるというのは強みにもなります。

 先に記載した、全国新規就農相談センター(http://www.nca.or.jp/Be-farmer/)にも農地について調べるサイトがありますし、全国的には耕作放棄地が増え続けています。

 ただ、実際に農地を借りるとなると、見えない高いハードルがあります。
 日本人は土地に関しては、先祖伝来の大事なものという考えが根強く残っており、信用の置けない人にはなかなか貸したがりません。

 そういう意味では、親族が信用の担保をしてくれると借りやすくなりますし、また研修先で信頼を得られれば、紹介してもらえることもあります。

 前述の各都道府県、各市町村にある全国新規就農相談センターでも、1~2年研修することが農地紹介への必須条件というところもありますが、これもいかに信用されるかどうかです。

 いずれにせよ、最初は自分の目の届く範囲で管理しきれる面積にすること。
 新規就農仲間も、農地を借りるまでは大変だったけど、次の年からどんどん農地が集まるようになってきた人がたくさんいます(1年目、60アールをやっと借りられた人が、2年目には頼んでもいないのに4ヘクタール、翌々年には7ヘクタールになった人も)。

 みんな共通して言うのは、周囲の人は見ていないようで見ているということ。
雑草の管理など、しっかりしていると信用されるので、ぜひ気を配ってやってみてください。
 そのためにも、最初はくれぐれも無理な面積を借りないように。

絶対後悔しない農地とは?

 では、こちらから農地を選べるなら、畑作の場合、どんな条件がいいかと言うと、第1に水はけがいいこと、第2に日当たりがいいところ、この2つはなかなか変えられませんから重要です。

 土の状況は、畑に生えている雑草の種類で見ることができます。
 手で抜きやすい雑草のところは土ができている証拠です。

 しかし、なにより大切なのが、家の近くにあるということ。
「野菜は足音を聞いて育つ」という言葉があるように、頻繁に通えることが成功への近道です。

 ちなみに、今は10アールあたり年間1万~2万円(全国平均)が農地を借りるときの実勢相場となっています。
※1ha(ヘクタール)=100a(アール)
 1a=10m2