いま、1~2人前の小鍋料理が空前の大ブーム。簡単にできて、とてもおいしい。冷えたカラダもポッカポカになる。しかも、洗いものも少ないのだから、忙しいビジネスパーソンに大人気なのも当然です。しかし、どうしてもワンパターンになりがち。そこで、大人気料理家の小田真規子先生に、誰でも簡単にできてめちゃくちゃうまい小鍋レシピを集めた『まいにち小鍋』をまとめていただきました。本連載では、その一部をご紹介してまいります。ぜひ、今日の晩御飯にお試しください!(構成:田中泰、前田浩弥)
12月は何かと会食・飲み会が多い時期。
そうでない日は終電まで残業……。
共働き夫婦がもっとも「すれ違う」のが師走ではないだろうか。
我が家も御多分に漏れず。
今日は何とか早めに帰ってこれたけど、もう23時を過ぎている。
朝が早い妻はもう、寝ているだろうな……。
そういえば今週はまだ、妻とまともに会話をしていない。
「ただいま」
明かりはついている。寝室を覗くと、妻はすでに寝る準備を始めていた。
「おかえり。小鍋、仕込んどいたから食べてね」
えっ。小鍋?
確かにコンロの上に、鍋が置いてある。
蓋をとってみると……
料理家・栄養士・フードディレクター。女子栄養大学短期大学部卒業後、料理家のアシスタントを経て、有限会社スタジオナッツ(www.studionuts.com)を設立。誰もが作りやすく、健康に配慮した、簡単でおいしい家庭料理をテーマに、『オレンジページ』『ESSE』などの生活雑誌や企業PR誌にオリジナルレシピを発表。家電、食品、調味料メーカーのメニュー開発、国内各地の産物・加工品の商品開発などもサポートしている。分かりやすいレシピが好評で、NHK「きょうの料理」「あさイチ」の料理コーナーに定期出演。著書は、『つくりおきおかずで朝つめるだけ! 弁当』(扶桑社)、『料理のきほん練習帳』(高橋書店)、『一日がしあわせになる朝ごはん』(文響社)など多数。中学校技術・家庭教科書(平成28年度)でも料理・監修を担当した
なんとスープも仕込んである!
「ありがとう!」
「うん。小田先生の『まいにち小鍋』に書いてあった「鶏ひき肉と小松菜のかき玉鍋」だよ。めっちゃおいしかった!具材も冷蔵庫に全部入ってる。悪いけど、私は先に寝るね。おやすみー」
おお、あの大人気料理家・小田真規子先生のレシピなら間違いない!
妻によると、スープは
●塩(小さじ1/2)
●みりん(大さじ3)
●しょうゆ(大さじ1)
●水(1カップ)
を混ぜたものらしい。
冷蔵庫を開けると、仕込んだ具材が目に入った。
豆腐はすでに手でちぎって崩してあった。
小松菜も5センチの長さに切ってある。
妻の心遣いに、心がポッと温かくなる。
ちなみに小松菜は、小鍋生活の常用野菜。ファスナー付ビニール袋で保存しておくといいらしい。
メイン具材の鶏ひき肉も、きっちり1人前を小皿に入れて冷蔵庫に入れておいてくれた。
このひき肉に小麦粉(大さじ1)をざっと混ぜ合わせる。
続いて卵も小皿に割り、ざっとほぐす。
私がやるのはたったこれだけ!
ここまで準備ができたら、スープを中火で2分間煮立てる。
煮立ったら、豆腐と小松菜を入れ、さらに1~2分煮る。
煮立ったら、ひき肉をざっと広げ入れ、色が完全に変わるまで火を通す。
その後、卵を全体に回し入れて中火で20秒程度、とろりとした半熟状になるまで火を通せば、完成!
ああ、おいしい……。
鶏ひき肉のやわらかさと、甘くて旨みの効いたスープとともに、
妻の「小鍋愛」が身に染みる。
食事の時間はすれ違いだけど、僕たちには「小鍋の絆」がある……。
ビールをちびちび飲みながら、心がリラックス。
明日もがんばろう。
自然と、そんな気持ちになった。
〆は冷凍うどんをそのまま突っ込んでしまえば、自然にかき玉うどんができ上がる。大満足の晩ご飯だった。
今度は、仕事をがんばって、自分が先に帰って、『まいにち小鍋』のレシピを妻のために仕込んでおこう!
ぜひ、皆さんにも、小鍋で夫婦の絆を深めていただきたい。
【鶏ひき肉と小松菜のかき玉鍋 レシピ】
●具材
鶏ひき肉(小麦粉大さじ1をざっと混ぜる):150g
豆腐(8等分くらいにちぎる):1/2丁(150g)
小松菜(5cm長さに切る):1/2把(100g)
●スープ
塩:小さじ1/2
しょうゆ:大さじ1
みりん:大さじ3
水:1カップ
●仕上げ
卵(ざっとほぐす):1個
粉さんしょう:適宜
●つくり方
1 鍋に【スープ】を入れて、中火で2分間煮立て、豆腐、小松菜を入れて1~2分煮る。
2 ひき肉をざっと広げ入れ、色が完全に変わるまで火を通す。
3 卵を全体に回し入れ、中火で20秒程度、とろりとした半熟状になるまで火を通す。