収支計算書だけでは説明できないことがある

 このように、会社が抱えている借金の残高や財産としての自動車の価値は収支計算書では説明できないのです。そこで必要になってくるのが、このような会社が抱えている借金の残高や保有する財産の価値をあらわす表です。実はこれがBSです。

 会社がお金を集めてくる方法は他人から借りる方法と資本家から資本金として入れてもらう方法の2つの方法があります。集めてきたお金がどのような形で会社の中に存在しているかをあらわす表がBSなのです。

 例えば、資本金300万円で会社を設立してすぐに200万円の借金をし、それらの合計500万円をまだ何にも使ってなくて現金のまま持っているとすると、BSは次のようになります。「どうやってお金を集めてきたか」がBSの右側に書かれていて、それが「どのような形で会社に存在しているか」がBSの左側に書かれているのです。

そもそも、PL(損益計算書)・BS(貸借対照表)は<br />なぜ必要なのか?図2-2 会社設立時のBS

  この状態で、この会社が200万円の自動車を現金で買ったとしたら次のようになります。

そもそも、PL(損益計算書)・BS(貸借対照表)は<br />なぜ必要なのか?図2-3 200万円の自動車を現金で購入した場合のBS

 自動車は現金購入なのでBSの左側の現金が300万円(=500万円-200万円)になり、その下に自動車として200万円が記載されています。このとき、BSの右側は何も変化しません。BSの右側はどうやってお金を集めてきたかの方法を表しているからです。