BSの左側を「資産の部」と言い、借入金が入っている所を「負債の部」と言います。2006年5月に日本では会社法が施行されましたが、それ以前に会計を学んだ人は正味財産のところを「資本の部」と学んだと思います。それが会社法の施行を機にそもそものBSの考え方に立ち返って、会社の正味財産が「純資産の部」に改められたわけです。

そもそも、PL(損益計算書)・BS(貸借対照表)は<br />なぜ必要なのか?図2-7 「資本の部」が「純資産の部」に変わった

  

PLは正しい利益を計算する表

 PLは会社が1事業年度(通常1年間)にあげた「正しい利益」を計算する表です。簡単に言えば、利益は売上から費用を差し引いて計算されます。つまり、「売上-費用=利益」です。

 このPLという表は収支計算書と同じではないのでしょうか。売上が収入で、費用が支出とすれば、収支計算書の「収入-支出=残高」という式とほとんど同じ気がします。

 ここで重要になってくるのが「正しい利益」という意味です。飲食店やコンビニなどの商売は現金商売と言い、商品を買えばその場で現金を支払います。ところが会社間の商売は大半が掛け商売です。つまり、商品やサービスは提供するけどその支払は後から行われるような取引です。

 このような、商品やサービスの提供と現金の支払いの時期が異なる商売の場合、売上として認識するのは商品やサービスを提供した時点でしょうか、それとも代金を支払ってもらった時点でしょうか。