将来の「資産価値」を
考えた住宅選び

「一生住み続けるつもりだから、資産価値なんて関係ない」という人もいるかもしれません。
 しかし、本当に住み続けられるかどうか、先のことは誰にもわかりません。リストラ、離婚、病気など、何らかの事情でお金が必要になり、家を売らなければならなくなる可能性もあります。そうなった時に資産価値が大きな意味を持ってきます。

 例に挙げた日系企業の先輩のケースでは、現在、買ったマンションの価値が住宅ローンの残債を下回っています。こうなると、万が一のことが起こっても、売るに売れない状況です。売ったとしても住宅ローンが残ってしまうからです。

 逆に外資系の先輩は、最初から一生住み続けるつもりは全くなく、家族構成や仕事の変化に応じて、その都度、新しい家に住み替えていくつもりでした。
 実際、購入10数年たってから銀座のマンションを売却し、今度は港区の6000万円ほどのマンションに引っ越しました。10数年間のトータルでの住居費はほぼ無料どころかむしろ自宅を売却して数千万円の貯金まで手に入れました。しかも自宅の売却の場合は3000万円までの特別控除があるので、売却益が3000万円までなら税金もかかりません。ただ自宅に住んでいただけで資産形成ができてしまったのです。

 マイホームは人生の三大出費に数えられる高い買い物です。だからといって、郊外の戸建や新築マンションを選んでいては、結果的に損をするだけ。
 将来のことを考えれば、少しだけ背伸びをしたとしても10年、20年たっても価値の落ちにくい住宅を購入することが大切なのです。

生形大(うぶかた・だい)
1977年8月生まれ 富山県富山市出身。横浜国立大学工学部建築学科卒 横浜国立大学大学院修了。外資系証券(バークレイズ証券・JPモルガン証券)出身の投資家。現在、国内12棟189戸、海外3戸、都内の戸建て・区分マンション4戸の不動産を所有。不動産以外にも株・FX・先物・オプション取引・オフショアファンドなどあらゆる金融商品に精通。現在は資産運用の専門家として独立し、成功者続出の投資家を養成するスクールの運営、不動産投資セミナーの人気講師として、経済的、時間的な自由を志すサラリーマンに指導を行っている。主な出演メディアにサタデープラス(TBS系列)。主な著書に『年収1億円を生み出す[ハイブリッド]不動産投資』(ぱる出版)がある。