手書きメモを簡単にデジタル化することに主眼を置いたメモパッド「ショットノート」。キングジムより発売されており、今年2月の発売からわずか3ヵ月で累計販売数10万冊を突破したヒット商品だ。
紙のメモといえば、整理が難しかったり、すぐに捨ててしまったりすることが多い。あるいは、紛失してしまうこともしばしばあるだろう。一般に、メモはあくまで一時的に書き留めておくものであって、「保存」するものではない。だが、気軽にメモしたつもりの内容が、後になって重要事項に絡んできたりして困ってしまったという経験は、誰にでもあるのではないだろうか。
「ショットノート」の便利さは、iPhoneでメモを撮影するだけで、すぐにデジタル化が完了してしまう点。専用アプリを起動した後、紙面の四隅に印刷されたマーカーが収まるようにしてシャッターを押す。アプリは自動補正機能を搭載しているので、四隅のマーカーを撮影範囲に捉えていれば、斜めから撮影してもiPhoneの画面ぴったりに補正・トリミングしてくれる。あたかもスキャナで取り込んだかのような画像に仕上げてくれるわけである。
また、紙面上部の「DATA」欄に記述した日付や番号もOCR(光学文字認識)機能で読み取ってくれるので、いつ書かれたメモであるかも一目瞭然。取り込んだメモは、タイトルやタグなども編集できるため、検索機能を活用することで、目的のメモを後から簡単に呼び出すことができる。さらには「Evernote」との連携も可能で、「ショットノート」のメモ書き以外の資料との関連付けも、実に簡単だ。
そんな「ショットノート」に、この6月から新たなラインナップが登場する。加わるのは「ツインリングタイプ」「ケース付ルーズリーフタイプ」「貼ってはがせるタイプ」の3種類。サイズも多彩になって、「メモ」からより使いやすい「ノート」へと進化したと言えそうだ。
横罫線のリングノートタイプといえば、ノートの定番。「ツインリングタイプ」「ケース付ルーズリーフタイプ」の登場により、議事録や講義録といった長文の記述も素早くデジタル化して、整理や保存ができるようになる。
一方、「貼ってはがせるタイプ」は、付箋のように手帳やノートに貼りつけて使用する。カラーも4種類が用意されているので、目的ごとに色分けしてノートに貼付し、後でまとめてiPhoneに取り込むという使い方などが便利だろう。
6月下旬には、Android用アプリのリリースも予定されている「ショットノート」。スマートフォンと併用することで、むしろ「手書き」の良さを再発見してくれるツールと言えそうだ。
(中島 駆/5時から作家塾(R))