SOSを発信して初めて、救いの手が差し伸べられる

人手が足りず、仕事との両立に悩んでいるのは、Bさんだけではありません。
介護に携わる人なら誰でも同じです。
寝たきりだったり、徘徊がひどかったり、一日中、世話に追われている方もいるでしょう。

ケアマネを動かしたのは、Bさんの涙と「死にたい」という言葉でした。
彼女がそこまで追い詰められているとは、ケアマネも気づいていなかったのです。

介護者はなるべく自分や家族の状況を、冷静に淡々と話そうとしがちです。
プライベートな話題ですから、話すのを躊躇したり、弱音を吐きそうになる心を一生懸命、抑えようとするからです。

でも、情報を共有する相手は少しでも多いほうがいいのです。
ケアマネに話しにくければ、地域包括支援センターやデイサービスのスタッフに相談してみましょう。

とにかく、自分の気持ちを抑えず、素直に周囲の人に助けを求めてください。

●ポイント
介護の窮状は、事務的に話しても伝わらないもの。

細かい状況説明より、「死にたい」「疲れた」「もうだめ」というひとことや涙のほうが響くのです。

頭より感情に訴えて、ストレートにSOSを発信してください。

「冷たい家族だと思われるんじゃないか」
「できないヤツ、ダメな人間だと思われたくない」
と感じたら、それはもう我慢の限界でコップの水があふれそうになっている時期なのです。

つらさを正直に伝えることができれば、心も軽くなります。
安心して助けを求めてください。