若手の発掘は、さぬき全体を変えるカギ

 第一に、全国に打って出るための商品開発のあり方を習得した。自らの強みや商品コンセプトを考えたのは、初めてではないか。そして、中身から売り方に至るまで、コスト管理も含めて一連の流れを学べた。

考える習慣をつける。視点を広げる。今回のプロジェクトは、「教育を兼ねたもの」と十河会長は語る。

 専門家のアドバイスも、すぐに実地に活かす。通常のセミナーでは到底できない、「究極の学びの場」だったと思う。

 第二に、互いに学び合う土壌ができた。これまで菓子事業者は、親や学校、修行先で得た技術だけの狭い世界に生きていた。しかし、横串を刺せば、風穴が開く。

 初めは試作品も散々な出来だったが、チームを作り、和菓子屋と洋菓子屋、若手とベテランの交流が始まって、商品がガラッと変わった。

 第三に、埋もれていた才能を発掘できた。これが最大の収穫だ。今回採用された「拝みもなか」「へんろの小石」以外にも、ユニークな商品が出てきた。これらは若い世代が開発したものだ。

 元気な若手が10人でも出てきて、自由に才能を開花させられれば、さぬき市5万人を変える大きなきっかけとなるはずだ。私は、そう信じている。