サイのツノも東南アジアで高額取引されている……

日中サバンナで運動し、日が暮れる前にシェルターに戻ってくる子ゾウ(ケニア)

石黒 ゾウの赤ちゃんシェルターの写真見ると、ほんとスタッフになれていて、かわいいですねー!

本庄 あのシェルターに保護されてくる1歳にもなってない子どものゾウは、スタッフが一緒に寝ます。なぜなら、母親を目の前で殺されて、顔面をえぐり取られるように牙を取られる光景を前にした子ゾウは、トラウマに苦しむんです……。

石黒 僕はあのくだり読んであまりの悲しさでしばらく仕事が進められなくなりました……。そして絶対に象牙のハンコは買わないし、この話しを伝えていきたいと強く思いましたね。

本庄 そんなゾウたちも、スタッフの献身的な世話と、やさしさをもらって、甘えたり、遊んだり、すやすや寝たりするようになるんですね。その光景は本当に微笑ましかったです!

石黒 そんなゾウ以外にも、密猟問題は山積みのようで……。

本庄 まず、ゾウと同じように急激に数が減っているのがサイです。

石黒 そちらは、牙ではなくツノということですね。

本庄 はい、そして目的はハンコなどではなく、東南アジアでは健康によいという理由で高額で取引されてるんです。医療効果はなんら証明されてないのに……。あるデータによると、ケニアにはサイが、1970年代に2万頭いたのに、1990年代には400頭にまで激減したのだとか。

石黒 うわ、同じ年代経過でゾウが8分の1でしたが、そんなもんじゃないですね!……そういう状況を見て、ゾウと同じく国として保護活動に乗り出したんですね。