「愛知版のデータを見てみてください。夏と冬のボーナスの合計を見ると、リーマンショック前は年間300万円もらっていた管理職が10%以上いた。ところがリーマン後は2%にまで下がっていますよね。

 一方、60万円未満という人は、以前は7%だったのが14%と倍増。90万円未満も12%だったのが、18%に増えた。つまり、高額なボーナスをもらっていた人のシェアが落ちて、より少額の人がガーンと増えているってことなんですよ」

 ボーナス格差が開いたわけではなく、全体的に支給額が下がっているというのだ。ちょっと意外な話だが、年収全体ではどうなのだろう?

 北見さんが、年代や階層ごとにリーマンショック前後の年収を比べたところ、グラフはみな同じ傾向を示していた。どれも年収の低い層が増え、高い層が減っていたのだ。

 たとえば30代一般男子の年収を見ると600万円未満の人は28%から19%に減った。かたや400万円未満の人は15%から29%に跳ね上がっている。愛知県で働く30代の一般男性社員は、3人に1人が年収300万円台以下になってしまったのだ。

「低年収層が増え、高年収層が減ったということは、全体が低年収化しているということ。つまり日本は格差社会になったのではない。リーマンショックをきっかけに『低年収社会』に突入したのです」。

 さらに、働く人びと全体の給与合計の推移を追うと、とんでもないことがわかった。

 1998年、働く人々全体の給与は222兆円だった。それが2009年には192兆円にまで落ち込んでいたのだ。この10年余りの間に日本人は30兆円もの給与を失ったことになる。30兆円と言えば、経済破綻した当時のギリシアのGDPと同じ規模だ。

50代になっても年収500万円に届かず…
社会保障制度の前提崩れる

 ショッキングなのは50代一般男性社員の年収中央値だ。

「530万3000円から480万7000円とおよそ51万円減っている。ついこの間まで、大都市圏に勤務する50代男性は、一般社員であっても年収500万円はなんとか確保できていた。ところがリーマンショック以後は、ついにその水準を切ってしまったんですよ」