読み方にもコツがある

 回数をこなすためには、読み方のポイントがいくつかあります。

 長い問題文や解説文がある場合、全文をきっちり読もうとするとどうしても時間がかかってしまうので、そのなかの「漢字」と「カタカナ」と「数字」だけ拾うようにします。私はこれまでたくさんの問題集を見てきましたが、重要なワードの9割は、漢字とカタカナと数字だといっても過言ではありません。ひらがなは、たいてい助詞や接続詞にすぎないので、そこは追わなくても、文章の意味はつかめます。重要なワードが太字や網掛けになっている場合は、そこだけ拾ってもいいでしょう。

 また、理想的な問題集として「一問一答形式」をおすすめしますが、そのような形式になっていない問題集の場合は、自分で「一問一答形式」にしながら読むようにします。たとえば、問1の選択肢1~4の問題文をまとめて読んで、次にその1~4の解説をまとめて読んで……とやっていくのは読みにくく、回数をこなすことができません。選択肢1の問題と解説を読み、次は選択肢2の問題と解説を読む……というように、選択肢単位で読んでいくほうが時間もかからず、要点も整理されるので覚えやすくなります。

 機械的に覚えようとしても覚えられないときは、意識的に感情や感想をもちながら読むようにしましょう。感情が伴う記憶は、より強固に脳に定着しやすいのです。「こんなのあったな、忘れてた。危ない危ない」「ここは何回やっても覚えられないから要注意だな」など、感想を抱いたり、言葉にしたりしてみるのです。あまり複雑に考えて言葉にするのではなく、あくまで自然に出てきた感情や感想でいいです。

 直前期の勉強はけっこう長丁場なので、途中で集中力が続かなくなることもあるかと思います。そんなときは、リフレッシュするために、まったく違う科目の勉強に切り替えることをおすすめします。休憩をとるのも悪くはないのですが、勉強をしない時間をつくるよりも、勉強そのものは継続したほうがテンションも持続できます。勉強の流れは止めず、勉強の内容を変えることで気分転換をはかりましょう。

前日にやる勉強は、とにかく「回数」で覚える