価値観で共鳴し合う関係構築の場づくり
また、価値観のエリアでは、人々は現実生活の交友関係から離れ、趣味や想いを中心に集まります。考えてみれば、企業という集合そのものが、企業文化や事業活動への共感をもとにした価値観の共同体だといえます。日々の何気ない社内のルールや活動などが、意外と消費者にとっては感動や納得を呼ぶものだったりします。
このエリアでは、価値観でつながる和の集合が思いやり空間をつくり、自由な発話を促します。企業がソーシャルメディアを活用するということは、つまり、「企業と顧客が価値観で共鳴し合う関係構築の場」をつくるということです。企業の担当者が個人で表に出ていくような真似をせず、ファンが集う場をつくり、そこを運営することに徹する。そうすることで、企業は個人としてではなく、企業という組織のまま消費者とつながることができます。
しかし、企業と消費者が関係を育む場をつくるためには、まず、その場を盛り上げなければなりません。参加者が集まり、活発に会話する。そんな盛り上がりを見せる企業が運営するソーシャルメディアをつくらなければならない。しかし、通常のソーシャルメディアでも場を盛り上げることは難しいのに、それを、特定の企業という縛りを設けた場を活性させるということなどできるのでしょうか?
次回の連載からは、企業が運営するコミュニティを活性させる方法を、その発見の経緯とともに紹介しようと思います。
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序 章 冒険に旅立つ前に
第1章 見える人と見えない人
第2章 インターネット・クラシックへの旅
第3章 ソーシャルメディアの地図
第4章 企業コミュニティへの招待
第5章 つながることが価値になる・前編
第6章 つながることが価値になる・後編
終 章 希望ある世界