不動の心が生んだ
徳川260年の歴史
「山の八白」は自分の意志と信念を持っているので、どんな困難なことがあっても動揺しません。
常に「不動心」の構えを崩さないのです。
その「山の八白」を代表する人物として、江戸260年を築いた、徳川家康がいます。
家康はどんな不遇にあっても、まさに「山」のごとく心乱れずに、じっと辛抱と忍耐をし続けた人だったとされます。
「鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス」
家康の耐え忍ぶ姿を連想させる歌ですが、信長の死、秀吉の遠方への赴任、そのすべての出来事に動じず、来るべきタイミングを待って耐えていたわけです。
そして、天下統一を果たしました。
まさに、「山の八白」としてのあるべき姿を体現したからこそ、成し得た天下統一だったのでしょう。
また、山の八白人の愛すべき気性のひとつが、本質的な価値を精神的なところに求め、義理や人情といった「心」の部分を大切にすることです。
家康の人柄としては、「義」「誠実さ」を重んじたことがあります。
秀吉から「お前の宝は何か?」と家康が尋ねられた際に、
「私にはこれといった宝はありません。しかし、私のために命を賭けてくれる武士が500騎ほどいます。これが何物にも代えがたい宝と言えましょう」
という趣旨の言葉を、秀吉に返したとされる、有名な逸話(エピソード)があります。
この言葉からもわかるように、そういった家康の人間性もあったからこそ、家臣たちは家康に安心感と信頼感を抱いたのでしょう。
まさに「山」のように、ブレない家康の心があってこその、江戸260年の歴史のはじまりだったのかもしれません。