ビジネスパーソンなら、誰しも頭が良くなりたい、と思っている。しかし今日の「頭が良い」とは、一体、何のことだろう? 僕は「メタに考える力」だと思う。それは、「物事を一歩上の次元から見ること」であり、「本質に迫る」ことだ。このメタ思考とは何か?、そのために心がけるべき事は何か?を整理してみた。
連載もそろそろ大詰めを迎え、ネタに困った僕は、五反田のブックファーストに向かった。
夕方の6時は、会社帰りのビジネスパーソン達で賑わっている。
まず入り口の雑誌コーナーを覗くと、「anan」のセックス特集が山盛りに平積みになっている。人目もはばからず、一冊手に取る。かなりディープな内容だ。今年は付録にDVDもついている。来年はきっと、勝負下着かコンドームがついてくるだろう。
最近の出版業界は、付録でもっているといっても過言ではない。
宝島社の『スッキリ美顔ローラー』は、わずか2日で30万部の重版という記録を成し遂げたというし、結婚情報誌「ゼクシー」の付録には婚姻届がついてくるらしい。
もはや出版社は、全国15000店もの書店流通網をつかって、文章の“おまけ”がついた「商品」をそのまま売ったほうが儲かるのではないか? ドラッグストアだって、本業の薬品ではなく、実際は食材の安売り販売で儲けているではないか?
そんなことを考えつつ、ビジネス書のコーナーへ。相変わらず人が多い。
ここには、英語の本に並んで、ロジカルシンキングなどの“思考系”の本がずらり。そうか、この分野のニーズは高そうだ。よし、では僕も一つ、「思考力」をテーマにコラムを書こう。5分で「頭の良くなる」(気がする)コラムのはじまりはじまり。
頭の良さとは
知識や記憶力ではない
ビジネスパーソンなら、誰しも頭が良くなりたい、と思っている。
しかし今日の「頭が良い」とは、一体、何のことだろう?
知識があること?
いや、Wikipediaやgoogle先生に聞けば、大抵のことがわかる今、昔のように「ウルトラクイズ」は流行らない。ハードディスクは外部化され、知識や情報は“つまみぐい”すればいい。
記憶力(メモリー)が頭の良さか?
これも違う。仕事に短期記憶(メモリー)は求められるが、情報の新陳代謝が激しい時代にそれは付加価値にはならない。