ダイヤモンド社刊 2300円(税別) |
「あらゆる企業が成長をマネジメントしなければならない」(『乱気流時代の経営』)
永遠に成長を続けることはできない。倍々ゲームの成長などとうていできない。
ところが18世紀初頭以降、あらゆる先進国が50年ごとに、成長こそすべてであり、かつ永遠に続くと信じる「成長の10年」を経験してきた。日本のバブル経済もその一つだ。
そして成長の10年が終わるたびに、深刻な反作用に襲われた。成長は永遠に終わったと考えた。
しかし、成長が終わったわけではない。今でも終わったと信ずべき理由はない。
成長の基盤は変化する。したがって、新たに自らの強みを発揮できる分野を探し、資源をもはや成果を期待できなくなった分野から機会のあるところに移す必要がある。
倍に成長したいのなら、資金、人、資源の生産性を倍に向上させればいい。生産性の向上は常に目標としうる。しかも常に実現可能である。
成長の機会は、長期の不況時にも扉をたたく。大恐慌時代でも、事業内容の改善を続けていた組織には、成長の機会が訪れていた。
IBMもその頃、吹けば飛ぶような弱小企業から世界の巨人へと成長する基盤を築いた。機会はそれに値する者の扉だけをたたく。
「成長できないのであれば事業の内容をよくしなければならない。組織には挑戦すべき目標が必要である」(『マネジメント・フロンティア』)