「血糖値」が健康管理の最大のカギである
――日々のイライラから老化・病気まで生み出すもの
「血糖値」という言葉は、あなたもすでにご存じでしょう。会社の健康診断でも、「空腹時血糖値」や、ここ1~2か月の血糖値の推移を見る「ヘモグロビンA1c値」が調べられているはずです。これら数値が高ければ糖尿病が疑われます。
この血糖値、糖尿病に限らず、あなたの健康状態のすべてを決めると言っても過言ではないのです。
第一に、「血糖値が高い状態が肥満をつくる」という事実があります。詳しいメカニズムについては新刊『医者が教える食事術 最強の教科書』で解説していますが、あなたが太るのは脂っこい食べ物をとったからではなく「血糖値が上がったため」です。逆に、血糖値を低く抑えることさえできれば、肉を食べようと、揚げ物を食べようとあなたは確実にやせていきます。
太っている人が「やせなさい」と医者から言われるのは、肥満があらゆる病気の引き金になることはもはや疑いの余地がないからです。脳疾患や心疾患、がん、認知症など、怖い病気はみんな肥満と関係しています。
一方で、糖尿病患者には、こうした病気の罹患率が高いことが明らかになっています。つまり、そもそも血糖値が高いこと自体が、体にあらゆる悪さをしているのです。
これも詳しくは『医者が教える食事術 最強の教科書』で書いていますが、血糖値が高いことで免疫力が落ち、さらには「AGE」という悪玉物質が体の中でつくられ老化が進みます。血糖値が高ければ、血管も内臓も、皮膚などの外見もぼろぼろになってしまうのです。
また、血糖値が安定しないことで、イライラ、眠気、倦怠感、吐き気、頭痛といった不快な症状も招きます。
まさに血糖値は、健康管理における最大のカギと言えます。それを理解している人たちは、自分の血糖値に無関心ではいません。
たとえば、海外のサッカーチームで活躍する、ある日本代表選手は、パフォーマンスを上げるために、「FreeStyle リブレ」という器具を用いて血糖値をコントロールしているそうです。
リブレは本来、糖尿病の患者さん用に開発されたものですが、意識の高い人たちは自分の健康管理のために使いこなしています。つまり、知的なビジネスパーソンがエビデンスのある健康づくりに励もうと思ったら、「血糖値をコントロールする」というテーマを第一に掲げるべきなのです。そして、それには食事を大切に考えるしかありません。