オーディションの「候補者」に選ばれるために必要な条件

 オーディションの審査員は、たいていのは企業の経営トップや幹部、職場の部門長です。「いい仕事」を誰に任せるかを決める権限を持っている人が、実質的なオーディションの審査員です。彼らが、めぼしい候補者をリストアップしていきます。

 このとき、候補にすら名前が挙がらない人は、いつまで待っていてもなかなかチャンスはやってきません。「いまの仕事で頑張っていれば、いつかは報われる日が来る」と信じていても、候補者にすら入れてもらえないのでは、待ちぼうけになってしまうでしょう。

 では、あなたが候補者として推薦されるには、何が必要でしょうか?

 それが、第一に仕事での実績。ここ1~2年の業務目標の達成状況や進捗は、必ずチェックされるポイントです。与えられた仕事を一つひとつ確実に仕上げていること。上司や顧客から期待される役割を確実に果たしていること。それこそが、社会人としての信頼だからです。

 そして、第二に見られるポイントが、その人の「ノビシロ」の大きさです。新しい仕事を任せたら、その経験を通じて人材として大きく成長できるかどうか? これから成長する余地がどのくらい見込めるか? そういう目で経営幹部や上司は、人材一人ひとりの「ノビシロ」を常にチェックしています。

 重要な仕事を、十分な経験と実績のあるベテラン社員に任せたら、おそらく確実にうまく対処してもらえるでしょう。とはいえ、いつも安心確実をねらってベテラン社員にばかり仕事を任せていたら、いつまでも若手社員が成長できません。ですから、経営幹部としては、できるだけ若手社員にチャンスを与えて、新しい経験を積ませて育てたいと考えるのです。

 とはいえ、ほとんどの若手社員には、十分な実績や経験は期待できません。ですから、代わりに大きな「ノビシロ」を感じられる若い部下を選んで、チャンスを与えようとするのです。

 では、「ノビシロ」の大きさとは、どのようなポイントで見るのでしょうか?