とはいえ、簡単なコメントレベルの会話では、厳しい現状を伝えることから始めるほうが自然な場合もあります。そのようなときは、最後にいい情報を付け加えても、前向きな姿勢が伝わります。
例えば、もし大きな会議でプレゼンをしなければならないところ、その会議が3日後と迫り、最終作業に追われているようなときです。もちろん大変だという気持ちが先に立ちます。しかし、考えようによってはいい面もあるはずです。
「もう時間がなくなってきました。これから本気で頑張らないといけません。しかし、まだ3日もあるのです」
順番は変わっても、状況を見失わず目標達成に向けて努力する意志が伝わります。
実際に、皆さんがこのような言い方をするときは「何が、語るべきポジティブか」を見出せるかどうかがポイントになります。難しい局面で、しかも問題点を伝えることが目的の場合、よい点を思いつくのは簡単なことではありません。だからこそ、その状況でのポジティブな側面を事前に確認しておく必要があります。
もし、まわりにネイティブの人がいるなら、彼らの発言やレポートをこうした視点で改めて見てください。彼らが常に良し悪しの組み合わせで話を構成していることがわかります。
とても自然なので、生まれつきの話術のように思えますが、彼らは意識してポジティブな側面を捉える努力をしています。これは、他人に安心感を与えるものなので、管理職、とくにマネージャーやプロジェクトリーダーには必要な能力です。
身につける方法は、繰り返しやってみる以外にありません。繰り返しの訓練で、どんな苦境においても「語るべきよい点」を見出す能力が身についていきます。
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