プレゼン、会議、打ち合わせに効果抜群! 仕事に効く「図の使い方」。
企業研修、ワークショップの実績多数! ニューズピックスのクリエイティブ統括者であり、どんなものでも「図」にする図解オタクの櫻田氏の新刊、『図で考える。シンプルになる。』が発売! 発売4日で重版も決まり、話題になっている。
WIRED、ハフィントンポストといったメディアからのデザイン依頼に加え、コンサルティングファームや広告代理店で「図解思考」「デザイン×図解」などのテーマで研修をこなす本格派は何を語るのか。その秘伝の秘を、本連載ではあますところなくお伝えします。(構成:中村明博)
ニューズピックス インフォグラフィックエディター。仕事に必要な知識を身につける過程で、「モノゴトを深く理解したい」という欲求を持つようになり、そこから本やテレビ番組の要約を「1枚の図」にまとめる習慣が生まれる。作り上げた図を、自分の個人サイト「ビジュアルシンキング」にアップしたところ、従来の図解にデザインの考え方を反映させた手法が話題になる。
5つのSNSを
「1枚の図」で整理してみよう!
ビジネスでは取引先を決めたり、利用するサービスを決めたりする際に、比較して意思決定をすることがよくあります。
ここでは身近なSNS を例に、サービス比較の演習を行います。下記の5つのSNSを2軸で比べてみましょう。
LINE、Facebook、Twitter、Instagram、LinkedIn
「利用シーン」「ユーザー数」「機能」「使いやすさ」など、切り口はいろいろ考えられます。どのような軸を設定して比較するのがよいでしょうか。
ステップ(1)タテ軸を決める
答えは1つではないので、皆さんも思いつく限り考えてください。
ここでは解答例として、立ち位置の違いが顕著に分かれる「利用シーン」をタテ軸に置きます。下図を見てください。
ステップ(2)ヨコ軸を決める
ヨコ軸には、「やれること」を設定し、限定的か幅広いかを比べられるようにします。下図を見てください。
ステップ(3)比較対象を配置する
タテ軸とヨコ軸が設定できました。ここに比較対象を配置していきます。まず利用シーンから考えてみましょう。
ビジネス寄りなのはLinkedIn、そしてFacebook。逆にプライベート寄りなのは、Twitter、Instagram、LINEです。
次にやれることで考えてみましょう。機能が盛りだくさんで、派生サービスも多いFacebook とLINE が幅広いと言えます。一方、つぶやきが主体のTwitter、写真投稿がメインのInstagram、ビジネス求人サービスのLinkedInは限定的です。さっそく配置してみましょう。下図を見てください。
ユーザー数のような定量的なデータを軸に設定する場合は、客観的に位置を指定できます。
ところが、先ほどの解答例のように、定性的な内容を切り口にした場合は、アンケートや取材で裏づけを強化することはできるものの、配置は主観的にならざるを得ません。
「比較の図」を使って立ち位置を理解する場合は、そこを割り切って使うようにします。同じ題材でも他の人が図にまとめると、まったく違った結果になることがあります。下図のようなイメージです。
この図の魅力は、こうした理解のゆらぎにあります。何を切り口にするか、どの基準で配置するかによって、図の仕上がりが大きく変わるのです。議論の呼び水に最適なため、打ち合わせや会議で積極的に使っていきましょう。