たくさんある「ニッポン・スゲー」本が招いた誤解だろうか。あれは、爺さん向けの紙のキャバクラで、そりゃ1500円分、ヨイショはしてくれるが、北京に住んで17年の私からすれば、中国の人口は13億、「それは確かにそういう人も中にはいますが……」というお話である。
日本の皆さん、今、とても心が弱っていて、外国人のお得意の“社交辞令”を真に受けすぎである。
中国人にとって今の日本は
たくさんある旅行先の一つにすぎない
そもそも現在の中国人にとって今の日本は、たくさんある旅行先の一つにすぎない。
タイ(今、安さで人気)や台湾、香港、シンガポール、オーストラリアやトルコ、ドバイ、欧米、その他たくさんの候補の中で、「4度目の日本旅行に行くオレに、同僚は皆、無口……」という感じだろうか。そういう日本オタクや世界中を旅する富裕層以外は、日本は近くて安い庶民の旅行先である。
いや、彼らも、例えば日本人の上司から日本研修の感想を聞かれたら、
「人が親切ですね、清潔ですね、食事におしぼりがついているのがイイですね、トイレすごい……」と決してウソではない、“日本、良かった”を告げるだろう。
インテリ中国人は、一般的に外国人に本音は言わない。まして、会社の行事であれば、それは「ホメて、ホメて」と待つ日本人上司の気持ちを忖度したものだ。必死で探して見つけたスゴいところが、「オシボリデス」みたいな。
さらに言うなら、中国人にもホントの(日本、いいなぁ)はあるのだが、それは中国人だからこそ、口にできないことばかり。
ではここでちょっと中国人の本音を聞いてみよう。