問題3:温泉街にお客様を呼びたいが、お金はない……。

 今度は、実在する、ある山あいのひなびた温泉街の話です。ここでは、これといった繁華街もなく、夜7時ともなると店のシャッターは閉まり、メインの通りは暗闇に包まれてしまいます。このままでは、客足も離れる一方です。さて、あなたなら、この温泉街、お金をかけずにどのように活性化しますか?(制限時間1分)

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 どんなアイデアを思いつきましたか。この場所は、群馬県の四万(しま)温泉。旅館の女将や若旦那たちが頭をひねって考えた方策は「ちょうちんウォーク」でした。

 つまり、「暗い」=デメリットととらえず、暗いからこそできることはないかと考えたのです。暗い中、各旅館が貸し出す風情あるちょうちんを掲げ、そぞろ歩きをするというこのイベントは、都会の人の心をグッとつかみ、このイベント目当てに大勢の宿泊客が訪れるようになりました。与えられた制約を逆手にとった、四万温泉の皆さんの視点は素晴らしいと思います。

【レッスン3:デメリット=悪いこと、という枠にはまってはいけない

問題4:店長の一言で、やる気度アップ!

 次は、あるファミリーレストランでの店長と、アルバイトの大学生との話です。彼女はウエイトレスとして長年がんばっていましたが、ある日突然、店長に「辞めたい」と言ってきました。仕事熱心でとてもいい子です。店長がその理由を聞いてみると……。

「だって、毎日、する仕事が同じで。だんだん飽きてきてしまったんです」と言うのです。確かにウエイトレスの仕事は、日々同じことの繰り返しです。さて、もしあなたが店長なら、この子になんと声をかけてあげるでしょうか?

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 これも実際にあったエピソードです。アルバイトのMさんは、実際、店長に次のように言われ、「あっ、そうかもしれないな」と我に返り、その後、またやる気を出してがんばったそうです。その言葉を紹介します。

「そうだね、確かにする仕事は同じだよね。でも、来るお客さんはどうかな? 頼むものは? そのときの気分は? きっと違うと思うんだ。Mさんは、毎日変わらないところしか見てない。だから、つまらないんだ。でも、日々違うことだってたくさんある。要は、どこを見て仕事をするかなんじゃないかな」

 この店長のセリフはお見事です。部下のやる気に火をつける、こんな言葉をかけてみたいですね。

【レッスン4:どこに視点を置くかで、やる気も変わる