これを知れば、誰でもすぐに点数が上がる!読むだけで合格が近づく!偏差値35から東大に合格した「ずるい試験対策」をまとめた『東大生が教えるずるいテスト術』。この連載ではそのエッセンスを紹介していきます。
今、大学入試に大きな変動が起きています。
まず、1990年から続いていた「センター試験」が2020年に廃止され、「大学入試共通テスト」へと変更されることが決定し、多くの予備校がその対応に追われています。またここ数年、センター試験の問題の中にも新傾向の問題が出題されるようになりました。
さらに、有名私立大学が合格者を大幅に削減したり、ペーパーテスト以外の入学者の方を増やすといった動きもあります。
さまざまな変化が起こっている大学入試ですが、実はその変化を分析すると、共通するある一つの要素が聞かれることが多くなったことがわかりました。
それは、「コミュニケーション」です。
今回は、「コミュニケーション」と「試験」との意外な関係性についてお話ししたいと思います。
会話が上手な人間なら簡単な問題?
まずはこのセンター試験の英語の問題をご覧ください。
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この問題は、2014年から新しく出題されるようになった新傾向のセンター試験の問題です。
「まとまりを良くするために取り除いた方がいいものを選べ」、というこの独特の問題は、多くの受験生が苦手としている問題の一つです。
「必要ない一文を選べ」という問題の要求に対して、受験生の中には「どれも必要に見えちゃう!」「取り除いた方がいいものなんてあるの……?」と考えてしまう人が多いのです。
しかしこの問題が得意な人というのも一定数存在します。そういう受験生というのは、実は「コミュニケーションが上手い学生」だったりするのです。
話が面白い・コミュニケーション力がある学生というのは、「自分の意見を端的に述べる」「相手に伝えやすく会話をする」ということができる人が多いです。そういう人にとって、「まとまりを良くするために取り除くべき選択肢を選ぶ」というのは日常的にやっていること。英語の内容さえわかれば簡単に解けてしまうわけです。
2020年入試で問われるのも「コミュニケーション」?
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センター試験だけではありません。実は、2020年の入試改革でも、コミュニケーション力がある学生の方が解ける問題が多く出題されるのです。
例えば、上の問題は「大学入試センター」が2020年以降の入試のサンプル問題として紹介している国語の問題です。見てもらえればわかりますが、「会話文」が基調となっています。この会話の中での議論を元に問題を解く、というような問題が2020年入試で出題されることがほぼ決定しているのです。
この問題以外にも、いままでは知識だけを聞いていた世界史・日本史などの社会科目や、物理や生物などの理系科目でも、会話文を元に問いに答えさせるような問題の出題が多く予定されているんです!
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コミュニケーションと関係なさそうな数学の試験ですら、こんな風に会話が登場しています。
なぜこんなに「会話」が登場しているのかというと、実はこの「大学入学共通テスト」は知識や技能以外の、表現力や判断力・思考力も同時に問う、ということを目標にして作られているんです。
会話表現や人間の感情・人間関係などを把握できる能力も含めた「学力」を問う試験が、2020年以降の受験生の共通試験になるのです。
このように、変化しつつある入試問題の中には、実はコミュニケーション能力の高い学生の方が解ける問題というのが数多く存在しています。今後は、そういった問題が主流になっていくと考えられます。
昨今、受験生の中には「机に長く向かっていれば無条件で成績が上がる」と考えて、受験のために学校行事や友達との人間関係を軽視する人も多いです。しかし、「友達付き合い」や「コミュニケーション」を疎かにしていると解けない問題の方が、むしろこれからは主流になっていくのかもしれませんね。