「働き方改革」が叫ばれているが、やる気のある「できるビジネスパーソン」ほど、仕事に精力を傾けるため、帰宅時間も遅くなるのが実態だろう。そんなビジネスパーソンのなかで、ひそかに支持を広げている料理法がある。「小鍋」を使った料理だ。シリーズ7万5000部突破のレシピ本『まいにち小鍋』『なんでも小鍋』(小田真規子・著)も、ビジネスパーソンの読者が広がっている。なぜ、忙しいビジネスパーソンに「小鍋」が受けるのか?その理由と、上手な活用法を紹介する。
なぜ、忙しいビジネスパーソンにとって「小鍋」が重宝するのか?
まず、「小鍋」だけに、材料も少なく(つまり安い!)、手軽に料理ができるからだ。いわゆる“鍋料理”であれば、材料をざっくり切って、スープで煮れば完成だから超時短。料理に慣れない男性でも簡単につくることができる。「小鍋」は調理器具兼食器である点も見逃せない。他の料理に比べて、圧倒的に洗いものが少ないのだ。
ひとり暮らしで重宝するだけではない。むしろ、夫婦共働きの家庭でこそ役に立つ。というのは、帰宅時間がバラバラだから、先に帰宅したほうがふたつの小鍋に具材を入れて、自分の分はすぐに火にかけて食べればいいし、相手の分は冷蔵庫に入れておけばいい。その後、帰宅したら、冷蔵庫から取り出して、スープを注いで火にかける。こうすれば、お互いに手がかからないのだ。
しかも、“鍋料理”はお酒にピッタリ。「小鍋」をキッチンに出しっぱなしにしておけば、いちいち食器棚から取り出す手間も省ける。帰宅して、手を洗って、部屋着に着替えたら、材料をまな板で切って、「小鍋」に入れて、火にかけたら、すぐにプシュっといける。「晩酌で一日の緊張をほぐしたいビジネスパーソンにとっては、これ以上の料理はなかなか見つからないだろう。
「小鍋」をつかった料理といっても、バリエーションはあるのか?
そんな疑問をもつ人もいるかもしれない。
しかし、心配は無用。驚くほどいろんな味を楽しむことができるのだ。
まず、いわゆる“鍋料理”。『まいにち小鍋』でも紹介されているとおり、次のようにさまざまな味つけを楽しむことができる。
豆腐とひき肉のサンラータン鍋
豚肉と白菜のレモン鍋
合わせ肉でトマトすき焼き
ひき肉そぼろの坦坦鍋
それだけではない。『なんでも小鍋』で紹介されているとおり、「小鍋」ひとつあれば、いわゆる“鍋料理”以外にも、ありとあらゆる料理をつくることができるのだ。
ぐつぐつ「グラタン風」半熟卵鍋
とろとろチーズリゾット
小鍋で本格ビーフストロガノフ
そして、本記事では、『まいにち小鍋』『なんでも小鍋』では紹介していない、小田真規子先生が(株)ミツカンの協力を得て考案したレシピを特別に紹介したい。両書では、市販の“鍋スープの素”は使っていないが、実は、“鍋スープの素”には旨味がたくさん詰まっているので、これをうまく使えば、カンタンにとってもおいしい料理が出来上がるのだ。
レシピ名は「ゴマ豆乳パスタ」。完成写真がこれだ。
つくり方は、とてもカンタン。
材料はこれだけ。
●スパゲッティ(1.6mm、ゆで時間9分のもの。長さを半分におる)…80g
●豚コマ肉…80g
●シメジ(小房に分ける)…80g
●小松菜(3cm長さに切る)…50g
*多めの1人分
まず、スープを小鍋に入れて煮立てる。
●こなべっち ごま豆乳鍋つゆ…1袋
●水…1・1/2カップ
スープが煮立ったら、スパゲティを加えてよく混ぜ、再び煮立ったらふたをして弱火で5分煮ます。
ふたをとりスパゲッティをほぐし、火が通ったら、豚肉とシメジを加え3~4分煮る。
お好みの加減になったら、小松菜を加えて、ひと混ぜし火を止める。
余熱で小松菜がしなっとなったら完成。
たったこれだけで、絶品のスープパスタができるのだから、嬉しい。
では、いただきます!!
■ごま豆乳パスタレシピ<多めの1人分>
料理家・栄養士・フードディレクター。女子栄養大学短期大学部卒業後、料理家のアシスタントを経て、有限会社スタジオナッツ(www.studionuts.com)を設立。誰もが作りやすく、健康に配慮した、簡単でおいしい家庭料理をテーマに、『オレンジページ』『ESSE』などの生活雑誌や企業PR誌にオリジナルレシピを発表。『料理のきほん練習帳』(高橋書店)、『一日がしあわせになる朝ごはん』(文響社)など多数。
【材料】
●スパゲティ(1.6mm、ゆで時間9分のもの。長さを半分におる)…80g
●豚コマ肉…80g
●シメジ(小房に分ける)…80g
●小松菜(3cm長さに切る)…50g
【スープ】
●こなべっち ごま豆乳鍋つゆ…1袋
●水…1・1/2カップ
【つくり方】
1. 【スープ】を鍋に入れて煮立て、スパゲッティを加えてよく混ぜ、再び煮立ったらふたをして弱火で5分煮る。
2. ふたをとってスパゲティをほぐし、豚肉とシメジを加え3~4分煮る。
3. 小松菜を加えてひと混ぜし、火を止める。