コミュニケーション
「コミュニティ」は、企業買収や提携、スタートアップとの連携を目論むアクセラータ・プログラムなどの企業の提携手法を問わず、重要である。仮に企業買収しても、買収後に「コミュニティ」をうまく活用できなければ、買収当時は見込めたであろう成果を、目論見どおりに上げることは難しいであろう。
次はコミュニケーションについてである。1つ目の要素は、その回数を増やすことである。今の時代は業界問わず変化が速い。これは最新分野であれば、なおさらである。イスラエルに拠点を構えなければ、頻繁にコミュニケーションをとることは現実的でないかもしれないが、必要なコミュニケーションの回数を多くとることである。シリコンバレーにも拠点を置く名だたるテクノロジー企業が、イスラエルにも拠点を設ける理由はここにある。現地に滞在し続けないと、頻繁にコミュニケーションをとるのはやはり難しいし、分からないことも多い。
2つ目は、論ずるまでもないかもしれないが、質である。日々の適切なコミュニケーションをとることはもちろん、周辺の状況が変わる中で自社の状況も柔軟に変えていける組織にしておかないと、コミュニケーションが成立しにくくなる。ある程度の権限を現地に持たせておくこと、現場でその判断ができる人間を配置しておくことであろう。「予算」と「権限」を現地に持たせておけば、ある程度の「質」が担保できる。
3つ目は、関係性。「コネクションが全て」と言われる一面もあるイスラエル。相性の良さといってもいいかもしれない。イスラエル企業の特徴を一般化して「こうだ」と言い切れる企業は少なく、100社あれば100通りの企業がある。「自社と相性の合う企業といかに早く出会えるか」「両社にメリットのある形で関係性を築けるか」がポイントであろう。これには、先に論じたコミュニケーションの「回数」と「質」が無論必要である。