小論文試験の受験生の悩みの多くは、次の3つに集約されます。
「どうやって評価が決まるのか?」
「自分の書いた答案は、どこが悪いのか?」
「どうすれば、合格答案が書けるようになるのか?」
本連載では、2月7日発売の新刊『落とされない小論文』の著者が、これらの疑問に明確な結論を出します。本番直前からでも、独力で合格水準まで到達するスキルと考え方をお伝えしていきます。(構成:今野良介)

全小論文共通の
「採点基準」はこれだ!

私は、小論文専門塾の指導者として、これまで膨大な数の答案を添削・指導してきました。国家公務員試験、地方公務員試験、教員試験、大学・大学院入試などはもちろん、大学の転部・編入試験、マスコミ・一般企業の就職試験、病院採用試験、企業内の昇進試験、研究計画書まで、あらゆる分野に及びます。これまで、約2000枚の答案を指導してきました。

小論文試験は、「採点基準」がはっきりしません。たとえば、数学ならば答えが明確です。解答例を見れば自分がどこで間違ったのかがわかりますし、勉強の方法も、公式を覚えたり練習問題をたくさん解いたりと、方向性は明確です。英語や国語など他の教科についても、ある程度、同じことが言えるでしょう。

しかし、小論文試験は「すべてが闇の中」というのが受験生の正直な気持ちだと思います。

そこで本連載では、「何が小論文の評価を分けているのか?」「自分の答案を直すにはどうすればよいか?」について、明確な結論と、具体的な解決策をお伝えしていきます。

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大学入試や公務員試験、教員試験などの受験案内を見ると、「小論文の採点のポイント」として、次のようなものが挙げられています。

「課題把握力」「着想」「思考力」
「説得力」「論理性」「文章構成力」「表現力」……etc.

すべて抽象的な表現なので、「どうすればこれらを満たせるのか?」がハッキリとわかりません。
そこで、上記の採点ポイントを具体的に言い換えてみると、次の4つに集約されます。

1.「問題の意味を正確に理解して書いているか?」
2.「具体的で、抽象論に逃げていないか?」
3.「簡潔で話の筋道が通っているか?」
4.「自分のオリジナルな主張が出せているか?」(主に大学入試)

どんな試験であれ、共通して印象を大きく左右するのは、上記の4点だと言えます。そして、この4つが満たされていれば、誰が読んでも「わかりやすい文章だな」と思ってもらえます。

では、どうすれば、この4つをクリアした答案を書けるようになるのでしょうか?