鼻水の色に隠された「風邪のサイン」とは?

鼻水の色や形状、粘り具合を確認すると、体調悪化のシグナルを察知できます。

少々汚い話ですが、私は、鼻をかんだあと、ティッシュに付いている鼻水をつぶさに眺めることを習慣にしています。

鼻水は、透明、白、黄色、緑色と色にバリエーションがあります。色だけでなく、サラサラ系からネチョネチョ系、さらには固形状態(いわゆる「鼻くそ」)まで、形状もさまざまです。

私たちの鼻の中では、毎日1~2リットルもの鼻水が作られます。健康なときの鼻水は、水のように透明でさらさらとしていて、鼻に入った細菌やウイルス、ほこりなどの異物を体外へ押し出す役目を担っています。

白い鼻水は、鼻水の中に風邪の原因となるウイルスや、これらと戦った白血球の死骸が混じることによって発生すると言われています。

白っぽい鼻水(一部、透明な鼻水も)は、風邪のひき始めに出ることが多いですから、仕事をセーブして早めに回復モードに切り替えるサインだと言えるでしょう。

「黄色っぽい鼻水」は、ウイルス、細菌、白血球の死骸が、白っぽい鼻水よりも増加している状態であることが多くなります。

風邪をひくと、白っぽい鼻水から黄色っぽい鼻水へ変化していくことがあるでしょう。黄色い鼻水は、免疫が機能し、ウイルスと戦っているサインと言えます。ここで油断して無理すると、風邪をこじらせて肺炎や気管支炎などの他の病気のきっかけになることがあります。

また、透明な鼻水は、風邪だけでなく、花粉症やアレルギー性鼻炎の可能性も高いでしょう。アレルギー性鼻炎にかかると、鼻の粘膜がアレルギーの物質に反応して鼻水を大量に出します。スギなどの花粉、ハウスダスト、ペットのフケなど原因はさまざまですが、細菌やウイルスではないため、鼻水に色が付いたり粘度が増すことは少ないのです。

また、病原体が鼻の奥の「副鼻腔」という空洞に入って炎症を起こすと、副鼻腔炎(蓄膿症)が発症し、膿(うみ)の混じった黄色~緑色の鼻水が出ることがあります。ドロッとした粘性の強い鼻水が出るのが特徴です。

鼻に不調を抱えていると、仕事のパフォーマンスを下げます。風邪をひくと鼻の通りが悪くなる人や、黄色、緑色っぽい鼻水で悩んでいる方は、ぜひ一度耳鼻咽喉科を受診し、鼻の奥を診てもらってください。

『一流の人はなぜ風邪をひかないのか?』では、このほか、医学的な根拠に基づいた、日常生活の中で風邪リスクを激減させる具体策を詳しく紹介しています。

仕事を休めないビジネスパーソンはもちろん、結婚式や旅行など重要なイベントを控えた方、受験生やその家族、妊娠中の方など、絶対に風邪をひけない時期に、ぜひ本書の内容を実践し、肉眼で見えない風邪ウイルスと戦う正しい方法を身につけてください。