中国の外食市場は成長しており、日系の外食企業も相次いで参入している。しかし、中国国内での競争は激しく、撤退を余儀なくされるケースも少なくない。そんな熾烈な中国の外食産業において、中国に移住し、ベトナム系華僑からの投資を得て起業、地元で大人気のレストランを経営している元CAの日本人女性がいる。折しも、本日(3月8日)は国際女性デー。彼女の奮闘ぶりを今日と明日の2回に分けて紹介する。(作家 谷崎光)
中国で現地の人に大人気
CA出身日本人女性が経営するレストラン
凄みのある声が、階段の下から聞こえてくる。
「それ、盛り付けやり直してよ!“水果茶”はあとどれくらいかかるの?」――。
CA(客室乗務員)出身の美人日本人女性が、厳しい指示を中国語で飛ばしまくっている。
と思うと、今度は階段をかけあがりながら、中東系の常連客のグループに英語で挨拶をしている。またすぐにかけおりて、料理をチェック。
「従業員に任せればいいのに…」と思うのは、中国を知らない人の言う言葉である。
客席は1~4階で250 席。厨房は1階と5階にある。
彼女はこうやって、1日に300回はこの階段を上り下りしているだろう。
一瞬、人気ドキュメンタリー番組『情熱大陸』を目の前で見ている気分になった。