TOEIC300点台の日本人の両親のもとで育ち、旅行などの短期滞在を除いて海外在住はゼロ。まさに世間で言われる「純ジャパ(純ジャパニーズ)」は、なぜ独学で10ヵ国語を身につけられたのか?『純ジャパの僕が10ヵ国語を話せた 世界一シンプルな外国語勉強法』が話題沸騰の10ヵ国語を操るマルチリンガル・秋山燿平氏に最短で外国語を話すためのコツを教えてもらう。今回は、「発音」「リスニング」のスキルアップについて解説します。(初出:2018年4月14日)

10ヵ国語を話せるマルチリンガルは、どう発音・リスニング力を磨いたのか?【書籍オンライン編集部セレクション】Photo: Adobe Stock

外国語の勉強に「映画」はオススメできない

 今回は、ビジネスレベルに向けたリスニング・発音の強化法も紹介します。リスニング強化法と言えば、「その言語の映画を外国語字幕で見る」方法が有名です。この方法は効果的な学習法のひとつですが、私はあまりオススメしません。中途半端な語学レベルで内容の知らない映画を見ると、あまりに聞き取れなくモチベーションが下がる恐れがあるからです。また、同じ言語でも地域によって「訛り」があるため、その点でも、映画の会話は聞き取れないことが多いでしょう。

 学習のためであれば、ニュース映像が最適です。たとえば僕は、英語を学ぶ際に、「CNN student news」というものをよく見ていました。YouTubeにあがっているものには英語の字幕がついているものも多く、学生向けなので内容も比較的かんたんです。放送時間も毎回10分とコンパクトに設定されており、学習に最適な長さだと言えます。さらに、アナウンサーの発音は訛りがないので、この点でも言語学習に適しています。

 ここでの効果的な学習法はシャドーウィングです。アナウンサーが話している文章を1、2語遅れで追いかけて話してみましょう。できる限り、息継ぎや抑揚も含めて完全にコピーすることを心がけてください。彼らのようなスピード、発音で話せるようになれば、「完璧に話せる」状態に近づけます。

 このとき、「文の意味」は考えなくて大丈夫です。意識は「発音とイントネーション」にだけ集中させます。シャドーウィングの最大の目的はスピーキング力の向上。文の意味や単語追加はシャドーウィング以外の時間に行い、ここでは発音とイントネーションに集中すればいいのです。コピーしながら話すことで自然と「正しい発音」が体に染み付いていきます。

 また、自分の話す声を録音するのも有効です。シャドーウィングの最中はネイティブの音を聞きながら話しているので、自分がどのくらい正しく話せているかまではチェックできません。ですから、録音して客観的に聞いてみるのです。これで、成長度合いを把握することもできます。