普及を阻む賞金制限と
「子どもの遊び」という認識

 日本が世界におけるeスポーツの流行に遅れをとっている理由として指摘されるのが、大会賞金の問題だ。

 日本のゲーム会社が、自社のゲームタイトルを使ってeスポーツの大会を開催するケースでは、プロモーションや販促行為で景品表示法(正式名称は「不当景品類及び不当表示防止法」)に引っかかってしまうので、賞金10万円を実質的な上限とする見解が消費者庁から出されている。

 また、参加費を募って優勝者に賞金を出すスタイルでも、刑法(185条-187条)の賭博罪に問われてしまう可能性があるため、競艇や競馬のように、ギャンブルとして例外的に認められるような法整備も必要になってくる。

 ただし、法的な整備は時間の問題で、それほど高いハードルではない。日本でeスポーツが遅れている最大の理由は、諸外国とは違った形でゲーム文化が発展してきたということが背景にあると、馬場氏は言う。

「日本では長らく、ファミリーコンピュータやプレイステーションなどに代表される家庭用ゲーム専用機が主流でした。そのため、eスポーツで多く扱われるPCゲームの普及が極端に遅れたのです。さらに一番根本的で大きな理由としては、デジタルゲームの社会的地位や認知が欧米に比べて低く、子どもの遊びという認識が根強いのです」

 たとえば、eスポーツの最先進国と言えるアメリカのデジタルゲームプレイヤーの平均年齢は30代半ばで、ヨーロッパではフランスでも40歳以上と、世界では大人の娯楽として、広く楽しまれているのだ。