お金がありすぎて大コケした会社

もう1つの大コケの例が〈38スタジオ〉だ。

このビデオゲーム会社は7500万ドルをドブに捨て、今は存在しない。

オンラインショッピング会社の〈ブー・ドットコム〉は1億3500万ドルを調達したが、37万2500ドルで売却された。

発明家のプラットフォームだった〈クァーキー〉は1億8000万ドルを調達したものの、ビジネスモデルに大きな欠陥があった。

他にも同じような例は数えきれないほどある。

〈パノ・ロジック〉の創業者だったニルス・バンガーは、次のようにうまく言い表している。

「おカネがありすぎると害になる。早いうちから資金を集めすぎると、それが足かせになり、選択肢が限られる。莫大な資金を調達したということは、もうビジネスモデルを見つけたという意味で、規模拡大をしなければならなくなる。でも、本物のビジネスモデルを見つけていないのに資金調達してしまうと、会社がまだビジネスの仕組みを見つけようとしている間に、取締役会は規模拡大を期待するので、問題が起きる」

デスクトップの仮想インフラを開発していたパノ・ロジックは、資金集めも市場ポジショニングもうまくいったのに、結局倒産してしまった。

バンガーはさらに「おカネをもらいすぎると、使わなくちゃいけないというものすごいプレッシャーがかかる。そして準備不足のまま使ってしまったり、外部の力に影響されて使ってしまったりする」とも語っている。