日本で女性が結婚してからパートでやる仕事は、彼女の学歴や職能レベルにかかわらず、中国で農民工がやる仕事ばかりである(農民工の人、ゴメンね)。

 能力があっても上に昇れない差別階層の人口が多いほど、上に乗っかれる階層の生活は快適と、庶民でもお手伝いさんが雇え、農民工の配達の人が走り回る中国に来てつくづく思った。

 日本は人口の半分がそうだったのである。

 中国も、国営企業の淘汰に伴って、企業保育園はなくなった。“国内に植民地がある”といわれるほどの格差で、お手伝いさんが安く雇える、配達等の家事援助サービスが安くて豊富といっても、じゃあ、彼らの子どもは誰が見るの?と、問題は山積みだが、中国男子も料理、家事はうまいし、そもそも家事の要求が日本みたいに高くない。

 仕事ももっとゆるい。だいぶ増えたが、IT系などでない限り、まだ残業も少ない。男性が“家庭の事情”で休んでも誰も何も思わない。

 幸せは比べられるものではないが、子持ちのホワイトカラー中国女性は日本よりもっと伸び伸びしているように見える。

 少なくとも、旦那に浮気されて、金がない、職がないから、黙っているような嫁さんはいない。男性もケツの一つはまちがいなく蹴り飛ばされる。社会における女性の地位は、日本よりはるかに高い。

 中国女性本人たちは、

「中国では、女性は馬車馬のように働かされる」

「仕事のストレス、ローン、子供、もう疲れたよー」

 と、口では言うが、仕事を捨てる気はない。

 「専業主婦です」というと学歴も能力もないと思われ、富豪の奥さんでも、自分で投資家になり、さらに富豪になる国なのである。

日本の男は
劣等感がめちゃくちゃ強い

 中国と関わって30年、住んで17年目である。