「ダイヤモンド・オンライン」を読むようなお父さん、お母さんのお嬢さんはきっと優秀だろう。

 そして優秀な女性ほど、危ないのが日本の社会である。

 高橋まつりさんも、東大卒だったからこそ、パワハラを受けたのだと思う。

 優秀な女性がダメ上司に回されて、つぶされていくのをただ眺めているだけの風潮が日本にはある。

 なのに、今までの女性向け“生き方指南書”は、結局、「女子力」で“男からトクを取れ”、というものばかり。

 その過重労働は誰の手柄になるか。

 パワハラを受けていないか。

 性的暴行を受けたことを名乗り出た伊藤詩織さんの件ではないが、セクハラは単純な性欲ではなく、支配欲と相手の立場を見てやる卑劣さが入り混じったものであることは、父親の方がよく知っているだろう。

 社会人の先輩として、アドバイスと見守りはできるのではないだろうか。

「働く」ということは、「人間のどうしようもなく嫌な面を見る」ということ。

 と、同時に「自分の自信をつけていく過程」でもある。

 “いや、うちの娘にはそんな世界を見せず、いい男にお嫁にやってそれが幸せ…”という時代は、もう日本に二度と来ない。

 これからの時代、幸せを比べるのは“隣の奥さん”ではなく、“隣の国の奥さん”なのである。