奥さんより若い女性がお茶も入れてくれ、よく聞く不倫も、おじさんによったら、会社のお金で、自分で働く愛人を囲っているぐらいにしか思っていないだろう。

 過去のおじさんは会社から帰れないではなく、帰りたくなかった疑惑が濃厚である。

 会社員のうちはバカなセクハラはなかった。ただし、それは私の仕事相手が中国か、日本ではダイエーへの納入業者だったからである。

 それでも仕事がおもしろくなり、休日などに為替を見ていたりすると、私の父親はがんばっている娘をホメるどころか、

「あー、それで誰が儲かるんや。遊べ、遊べ」

 家族にはずいぶん救われた。

 さすがにしばらくすると残業も増えたが、今思ってもムダな仕事が多かった。なのに、大阪梅田の中央郵便局まで往復1時間かけて行き、中国へ発送していた荷物を、交渉して会社から直接発送できるようにしたら、「すぐ手を抜くことを考える!」と大目玉をくらった。

 職種からいって、残業せず、自分の時間でマーケティングに力を注げば、売上はもっと伸びたと思う。

 当時、過渡期でもあり、4〜5年で社員も増え、かなり正常にはなった。

 最終的に、私も同期の男性より部下が多くなったし、中国商品の品質向上と大幅な利益改善でダイエーの社長からダイエーグループ全体の社長賞ももらった。どこの会社にも当てはまるわけではないだろうが、最初から過重労働で辞めたり死んだりしたら元も子もない。

「働かぬ女は金持ちの妾」というスローガンでも
中国人女性の働き方は日本より恵まれていた?

 やがて中国に出張するようになった。

 当時はまだ国営企業の担当社員と仕事をすることが多かったが、当時から管理職にも女性が非常に多かった。

 工場などの現場でもそうである。ホテルの部屋で商談するとき、相手の男性が、託児所から連れてきた小さい子どもをその辺で遊ばせていることもあった。