定例会議を「責任回避」に使ってはならない

 ですから、私は、基本的に【下図】のようなチーム内の意思決定フローをイメージして、定例会議以外の「少人数ミーティング」を活性化するようにしました。

三流上司はひとりで悩み、二流上司はなんでも「定例会議」にかけ、一流上司は「○○」を頻繁に行う。

 たとえば、何らかの解決すべき問題が発生した場合には、マネジャーの権限で担当リーダーと数人の担当者を決定。マネジャーは、担当リーダーとのコミュニケーションを軸にプロジェクトを進めていきます。

 そして、担当チームが解決策を立案するまでのプロセスで、担当リーダーは必要に応じて随時少人数ミーティングを実施。より多くのアイデアを集めたいときには、担当者以外のメンバーを集めてブレストを行ったり、判断に迷うことがあれば、マネジャーとミーティングして方向性を確認する。こうした少人数ミーティングを積極的に行うことを奨励したのです。

 重要なのは、少人数ミーティングでどんどん意思決定していくことです。定例会議にかける必要があるのは、メンバー全員で認識を統一する必要性が高い案件のみ。それに当たらない場合には、少人数ミーティングの場にマネジャーが参加して、その場で、マネジャーの権限でどんどん意思決定していくべきなのです。

「一応みんなの意見も聞いておこう」などという理由で、いちいち定例会議にかけるマネジャーもいますが、これは「合議」を隠れ蓑にして、自らの意思決定責任から逃れようとしているだけ。その結果、定例会議のコストが膨らむとともに、意思決定スピードが落ちるのは、あまりにも大きな損失だと言わざるを得ません。