「ステップ1」科学的に瞑想状態をつくり、潜在意識にアクセス
ここでは、自宅でも行える方法として、呼吸法でアルファ/シータ状態に近づく方法をご紹介します。繰り返しになりますが、イメージトレーニングは、アルファ/シータ状態で行うことが重要です。
それには、オフィスや競技現場などではなく、ゆったりとくつろげる自宅などで行うのが適しています。それも出勤前などの慌ただしい時間帯ではなく、就寝前のホッとするひと時です。
そして、覚醒レベルを下げる方法として、最も効果的なのが呼吸法になります。
ここでの呼吸法は、副交感神経を活性化し、リラクセーションを促すタイプのものです。具体的には、5~10分の間、4秒かけて鼻から息を吸い、8秒かけて口から息を吐きます。
吐く時は、少し口をすぼめ、ゆっくり行うのがポイントです。あぐらでもイスに座った姿勢でも構いませんが、背筋を正し、上半身はリラックスします。
覚醒レベルを下げ、イメージを鮮明化するために目は閉じます。呼吸法に慣れていない方は、息が入ってきたり、出ていったりする呼吸自体に意識を向けて、「今」に集中します。
慣れてきたら、臍下丹田を意識し、呼吸による心身の変化を感じながら、「今」に集中します。
私の臨床経験から、慣れないうちは、アルファ/シータ状態をつくるには、それなりに時間を要します。ですので、はじめのうちは、最低10分は行っていただきたいところです。難しい場合は5分でも構いませんが、集中して行うようにしましょう。
慣れてくれば、次第に脳が感覚的にこの状態を記憶し始め、より短時間でこの状態に入れるようになり、電車での移動中や、仕事の合間、アスリートであれば試合中のインターバルなどでも同じような状態をつくり出せるようになっていきます。
図表は、ニューロフィードバックによるアルファ/シータ・トレーニングでの、アルファ波とシータ波の値の推移を表したデータです。
10分を過ぎた頃から、比率が変化していくのが確認できます。この、アルファ波とシータ波が拮抗する状態が最高のイメージング状態とされています。