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“集金マシン”としてのソーシャルゲームに明日は創れない!「ポケモン+ノブナガの野望」の制作トップが語るビジネスサステナビリティ

――石原恒和ポケモン社長×襟川陽一コーエーテクモゲームス社長 
スペシャル対談

石島照代 [ジャーナリスト]
【第27回】 2012年3月19日
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襟川:我々にとっても、「信長の野望」は特別なコンテンツですし、世界中のお子さんに愛される「ポケモン」と組ませていただく以上、きっちりと納得いくまでやらせていただきたかったんです。お互いのファンの皆さんにトコトン楽しんでいただきたい、だから、ギリギリまで本当に努力をしました。

一発屋とは違う、プロの「好き」が、
コンテンツビジネスのサステナビリティを支える

(C)2012 Pokemon.(C)1995-2012 Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc. (C)2012 コーエーテクモゲームス ポケモンは任天堂・クリーチャーズ・ゲームフリークの登録商標です。 ニンテンドーDSのロゴ、ニンテンドーDSは任天堂の登録商標です。

石島:「ポケモン+ノブナガの野望」の元になったふたつのソフトは、共に「信長の野望」、「ポケモン」という人気ゲームブランドです。このようにブランドが存在するということは、コンテンツビジネスにサステナビリティ(維持可能性)があることを証明している。「ポケモン」だから、「信長の野望」だから、売れ続けるわけですが、このようなブランドになれるヒット作はどうしたら作れるのでしょう。

襟川:まず個人に内在したところで言うと、「ゲームが好きだ」という人が企業にいるのが原点です。好きでもっといいものを作りたいという気持ちが心の底にあると、どんなことでも一生懸命やりますからね。

石島:しかし、作るのが好きという気持ちだけで、一大ブランドに育つほどのヒット作を産み出せるものでしょうか。ゲームを作りたい人はたくさんいますが、その気持ちだけで一生食べていくのは難しいように感じています。

石原:襟川さんがおっしゃったように、本当に「作るのが好き」という気持ちを持った人がゲーム企業の原動力になっているのは事実です。ただ、その「好き」加減が、人並みでは全然足りない。

 よく、「一発屋」っていう言葉を聞きますよね。この事実から分かることは、どんな人でも一生のうちにひとついい曲をつくるとか、いい詞を書くという可能性があるということです。では、それを100つくれるかって言うと、普通はつくれない。そのレベルを維持して数こなせる人がプロですよ。

 継続して食べていけている人は、好きという気持ちも並大抵ではない。どんどん作らずにはいられないし、そんな情熱でものをつくっている。襟川さんもそうです。襟川さんの次々と新しいものを生み出していくパワーや量は並大抵ではない。開発者の場合は、この「並大抵ではない好き」という気持ちが重要ですし、そういう人を探し続けることが、コンテンツ企業にとっては非常に重要なことです。

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石島照代
[ジャーナリスト]

1972年生まれ。早稲田大学教育学部教育心理学専修を経て、東京大学大学院教育学研究科修士課程在籍中。1999年からゲーム業界ウォッチャーとしての活動を始める。著書に『ゲーム業界の歩き方』(ダイヤモンド社刊)。「コンテンツの配信元もユーザーも、社会的にサステナブルである方法」を検討するために、ゲーム業界サイドだけでなく、ユーザー育成に関わる、教育と社会的養護(児童福祉)の視点からの取材も行う。Photo by 岡村夏林

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ゲームソフトをゲーム専用機だけで遊ぶ時代は終わった。ゲーム機を飛び出し、“コンテンツ”のひとつとしてゲームソフトがあらゆる端末で活躍する時代の、デジタルエンターテインメントコンテンツビジネスの行方を追う。

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