「テニスが嫌い」20代の葛藤
引退という決断の裏にある三碧思考
絶好調に見えた伊達さんにある変化が訪れます。
8歳でプロの世界に入り、短期間のうちに世界のトップと戦うことになるということは、長期間のツアーで体調も含めて自己管理が大変重要になってきます。
体力的にも精神的にも張り詰めた毎日が続いたことでしょう。
伊達さんは、現役復帰の際メディアに、この当時のことについてこんな話をしていました。
「テニスが大嫌いになっていた」
「孤独を感じていた」
「復帰するなんて、1%も考えたことがなかった」
テニスを始めたときから、中学、高校時代と、テニスが好きで好きでしょうがなかった伊達さんが、 テニスを嫌いになってしまうほど、精神的に疲れてしまったのです。
周りからの期待が大きすぎたからでしょうか。大きなストレスをかかえてしまったのですね。その結果、1996年9月に引退宣言。
バイオリズム(本書に詳細あり)で考えると、この年は伊達さんにとって「陽3年」、「四緑の部屋」に入っている年でした。
「陽3年」は剪定(せんてい)の年で、陽1年、陽2年の春の陽気で生まれてきたたくさんの物事を整理していく年です。
さらに「四緑の部屋」は、「縁」が関わる年でもあります。
伊達さんの引退は、ご自身の気持ちを整理し、テニスとは別のあたらしい「縁」を求めた結果だったのです。
26歳で一度引退を決めたあと、2001年にレーサーのミハエル・クルム氏と結婚します。
そして2008年に「クルム伊達公子」として現役復帰するまでの間、テニスから離れストレスから解放された12年間を送ることになります。
この伊達さんの思考回路。あなたならどう考えますか?
好きなことを嫌いになる。
好きなことでも、精神的なプレッシャーを感じてしまうと、好きなことから目をそむけたくなることは多々あるでしょう。
しかし、雷の三碧は人一倍に繊細な人間ですから、過度な期待をかけられたり、自分のペースが周りによって乱されたりしてしまうとNGなのです。
心配事が増えすぎて、好きなことでも眼中になくなってしまいます。
まさに伊達さんの思考は、雷の三碧だからこそなってしまった思考だと言えましょう。