債券には債券なりのリスクもありますが、経済のさまざまな不確定要素や企業の経営成績次第で価格や配当金が大きく変動する株式に比べると、全体としてリスクが低いという特徴があります。ですので、株式インデックス投信に加えて、債券インデックス投信を持てば、ポートフォリオが抱えるリスクを適度に下げることができます。
債券インデックス投信のリスク低減効果を実感できる例を見てみましょう。
次の表は、株式インデックスと債券インデックスの混合比率を変えたときに、過去90年間の平均利回りとリスクがどのように変化するかを表したものです。
濃縮めんつゆに水を加えて、自分の好みの味に薄めるのをイメージしてください。濃縮めんつゆがリスク高めの株式インデックス投信、水がリスク低めの債券インデックス投信です。
いちばん上の株式比率100%のケースは、いわば濃縮めんつゆの「原液」です。ここでは、90年間の平均利回りは10.1%と非常に高い分、最高利回りと最低利回りの振り幅も非常に大きく、90年間のうちに25回はマイナス利回りとなっています。
逆に、いちばん下のケースは債券比率が100%ですから、「水だけ」と考えればいいでしょう。最高利回りと最低利回りの振り幅も小さくなり、90年のうちでマイナス利回りとなったのは14回ですから、かなりリスクが下がっていることがわかります。しかし、同時に平均利回りが「株式100%」のときの半分程度(5.4%)にまで落ち込んでしまっています。
なお、こちらは架空の例ではなく、1926年から2016年までの実際のアメリカのインデックスのデータを用いたものです。債券だけでも5.4%というそれなりの利回りが稼げてしまっていますが、将来的には債券だけでここまでのパフォーマンスはなかなか期待しにくいかと思います。あくまでイメージをつかむためにお使いください。