来週26日~27日には、物価コントロールをミッションの1つとする日銀の金融政策決定会合が開かれます。日銀では、黒田総裁の続投が決まり、来週は副総裁に雨宮正佳氏と若田部昌澄氏を迎えての新体制で初の会合となります。とはいえ、黒田総裁続投の下、金融政策の方針に変化はないと見られています。

日本の金融緩和は当面続くものの、徐々に縮小か

 日銀は、黒田総裁が就任した直後の2013年4月から、「質的・量的金融緩和」を導入しました。この「質的・量的金融緩和」は、2016年1月に「マイナス金利付き質的・量的金融緩和」の導入を経て、2016年9月以降は、①イールドカーブ・コントロールと②オーバーシュート型コミットメントを二大柱とする「長短金利操作付き質的・量的金融緩和」となりました。

「長短金利操作付き質的・量的金融緩和」と、それまでの「質的・量的金融緩和」の相違点は、マネタリーベースが金融市場調整の直接の対象とならなくなったことです。「質的・量的金融緩和」では、量的な金融緩和を推進するため、金融市場調節の操作目標がそれ以前の“無担保コールレート(オーバーナイト物)”から“マネタリーベース”に変更されました。これが「長短金利操作付き質的・量的金融緩和」では、②オーバーシュート型コミットメントにおいて、「物価上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで、マネタリーベースの拡大方針を継続する」といった予想物価上昇率を高めるための間接的な存在へと変化しました。
 
 そして量的緩和の買い入れ対象である長期国債は、保有残高が年間約80兆円に相当するペースで増加するよう買入れを行うとされていましたが、「長短金利操作付き質的・量的金融緩和」の下では、「長期金利コントロールのため、10 年物国債金利が概ね現状程度(ゼロ%程度)で推移するよう、長期国債の買入れを行う」と変更され、その買入れ額については、概ね現状程度の買入れペース(保有残高の増加額年間約80 兆円)を“めど”とするというように変わりました。つまり、長期金利がゼロ%程度に保てるようであれば、長期国債の買入れ額は、従来の「保有残高の増加ペース」には拘らないということでもあります。

 この結果、日銀の長期国債の保有残高の増加ペースは徐々に減速してきています。2018年3月末には、「質的・量的金融緩和」を開始した2013年4月に設定されていた年間50兆円ペース(2014年10月に年間80兆円ペースに拡大)を割り込んでおり、量的緩和は実質的に縮小していると言えます。これを“ステルス・テーパリング”と呼ぶことがあります。保有残高は「買入れ額-償還額」ですので、今後も日銀の国債買入れペースが変わらないのであれば、償還が増える分だけ保有残高の増加ペースは落ちていき、2018年末には年間40兆円ペース程度にまで減速しそうです。