【沖縄の貧困の特徴】

(1)収入が低く生活コストが高いため、必然的に貧困になる
(2)狭い社会・濃密な人間関係の中で、憎悪も偏見も濃縮されがち
(3)公共インフラが整備されにくい、あるいは充分に整備されていない

 公共インフラの問題は、旅行者としてホテルや旅館などに宿泊していると、気づきにくい。多くの場合、断水などのトラブルがない限りは水洗トイレが利用でき、浴室では温かなお湯を使ってシャワーを浴びたり入浴したりできるはずだ。しかしそれらは、公共インフラとしての下水道が存在することを、必ずしも意味しない。

 たとえば、竹富島・西表島・波照間島など魅力的な島々を含む沖縄県竹富町では、トイレの水洗化率は100%に達しており、全国(78.3%)および沖縄県(71.5%)よりも高い。しかし下水道の普及率は8%に過ぎない(沖縄県調査)。さらに、基地の影響もある。日本の公道・上下水道・送電線などは、基本的に他国の軍事基地の中を通過できない。このため、公共インフラの設置・整備がさらに困難になる。

 このような問題を念頭に起きながら、今回は主に、生活コストの問題を概観してみよう。

稼げない一方、生活コストは高い
移住者も音を上げる沖縄の生活苦

 観光で訪れた沖縄に憧れて移住を試みたものの、継続できずに撤退する人々は少なくない。充分な収入を得られる仕事は簡単には見つからず、生活コストは高い。「暮らして行けない」という理由によって撤退するのは、自然の成り行きであろう。

 現在、沖縄県の最低賃金は時給737円(2017年10月発効)で、全国最低ランクだ。2018年1~3月の完全失業率は3.6%で、全国最高となっている。2017年~2018年にかけては、全国的に失業率の減少が見られ、全国では2.9%→2.5%となっている。2017年、沖縄県と同等に高い失業率が見られた北海道では、1年間で3.8%→3.1%と減少している。沖縄県でも3.8%→3.6%と若干の減少は見られているものの、他地域に比べると減少幅は少ない(総務省統計局「労働力調査」による)。沖縄県の1人あたり年間県民所得は213万円で全国最下位、全国平均の306万円を大きく下回る。