「日本はキャッシュレス化が遅れている」
最近、お題目のように耳にするのがこのフレーズだ。
2017年6月に閣議決定された「未来投資戦略」で、「今後10 年間(2027 年6月まで)に、キャッシュレス決済比率を倍増し、4割程度とすることを目指す」との重点目標が掲げられたこともあり、その潮流に乗ろうとする動きが目立っている。キャッシュレス化を進めたい政府の思惑は後述するとして、消費者にとってのメリットとデメリットを考えてみたい。
「キャッシュレス決済」と一口に言っても、形態はいろいろある。代表的なものとしてはICカードや電子マネー等のように、先にお金を支払ってチャージするプリペイド型、デビットカードなどのように決済と同時に銀行口座から引き落としされるリアルタイムペイ型、クレジットカードのように後払いにするポストペイ型がある。
最近ではお金ではなく、ポイントで支払えるケースも増えている。決済用のデバイスも、現物カードからスマホアプリへと変化し、「財布を忘れてもスマホがあれば困らない」時代になった。
特に、スマホ(による)ペイサービスは大きなムーブメントになっている。ペイアプリを操作してバーコードやQRコードをスマホ画面に表示させ、それを店のレジのバーコードリーダーで読み取ってもらえば決済ができる。
お金の流れはアプリに紐づけされたクレジットカードなどによる引き落としだ。2018年4月からはNTTドコモが「d払い」アプリサービスを開始し、役者が揃いつつある。「習うより慣れろ」で、筆者もスマホ決済にいくつかチャレンジしてみた。