社員のキャラを
数値化して配属

 定着率が劇的に上がった理由は明白です。
 社員ひとりひとりの特性を数値化して配属に活かしたからです。
 特性の数値化には、本書でも紹介したEG(エマジェネティックス)というツールを使っています。

 簡単におさらいすると、4色で特性を数値化して、青優位は論理的、緑優位は定型業務向き、黄や赤優位は気分屋の傾向が強い。青優位は論理的なのでプログラマー向き、感情に左右されにくいという面では仕入担当にもいい。値切ると決めたら、非情になって粘り強く交渉します。逆に社交的な赤優位は、業者との距離が近くて・仲よし負け・するリスクがある。だから、仕入担当にはしません。

 緑優位は定型業務向きなので、マニュアル化されたことをきちんとこなす事務仕事が最適です。

 業種によりますが、たいていの会社は業務の半分以上が定型です。

 武蔵野もそうなので、ここ2年は採用段階から緑優位の人が6~7割になるように調整しています。

 逆に黄や赤優位の人は飽きっぽいから事務に向きません。
 状況に応じて変化を求められる企画職や営業職のほうが向いています。

 私は元から適材適所を意識して社員の配属を決めていました。
 勘の鋭いほうなので、判断には自信があった。

 しかし、やはり人間の勘には限界がありました。
 特性を数値で客観的に把握して配属に活かしたら、以前に増してミスマッチが起きにくくなり、退職者が減りました。