命に関わる心筋梗塞や脳梗塞の前駆症状として、この足の動脈硬化症を捉えることが重要だとしばしば言われています。心筋梗塞や脳梗塞は、症状なく徐々に悪化していきます。そして、不意に血栓症による血行遮断により忽然と発症すると、その後短時間で、死や重度の後遺症に至るという悲劇がしばしば生まれます。足の痛みを感じたら、心筋梗塞や脳梗塞の発症を意識して、自身の動脈硬化のリスクを評価しつつ早期に治療を開始することが肝要です。足の痛みは心筋梗塞や脳梗塞の予兆かもしれないのです。

「しびれ」は腰のトラブルを疑え

 立っている時はまだいいものの、座ると決まって片足のしびれが強くなり居てもたってもいられなくなる――。こうした症状がある人は、「腰の病気」が原因かもしれません。これも前述の疾患群と同じで片足に限って症状が出るのが特徴です。発症時には、腰は全く痛くないので、原因は足にあって腰ではない、と考える方が多いようです。

 腰の骨は腰椎と呼ばれ、5個の骨(椎体)で構成されます。椎体の内部には脊髄が走っており、脊髄から伸びる神経は椎体と椎体の間からさらに末梢に伸びていきます。特に腰椎から出てくる神経は足に分布します。すなわち、「椎間板ヘルニア」や「変形性腰椎症」など腰椎のトラブルによって症状が足に出ることは珍しいことではありません。足の痺れを自覚したら、まず腰椎の異常を考えるべきでしょう。足の痺れから足の痛みに症状が発展することも多く、重症化すると歩行障害も発生します。

 日頃から、姿勢に注意して腰椎の並びを整えること、ストレッチングなどで腰椎周囲の筋肉を柔軟に保つこと、筋力を衰えさせないようにすること、などが腰椎疾患による足の病状の予防として大切です。また、足の痺れの代表的な疾患である椎間板ヘルニアは、軽症であればレーザーや内視鏡など体に優しい治療で管理することができるようになっています。