勝つ投資家の条件は、意外とシンプル
あえて誤解を恐れずに言えば、「経済を勉強するために株をやる」というのも間違いです。
そうした甘い考えを口にする投資家は、プロの投資家から見れば、格好の標的でしかありません。経済の勉強をしたければ、正直、経済学の本を読むなり、ファイナンシャルプランナーの資格の勉強をしたほうが、よっぽど効率がいいはずです。生き馬の目を抜くような株式投資の世界で、勝ち残ることだけを追求せずに、同時に経済を学ぶなどというのは不可能に近いことです。
「相場でお金を稼ぐ」
この当たり前の目的を果たせない限りは、日経新聞を読むために費やした時間も、四季報を購入してきたお金も、すべてが無駄です。今一度、株式投資の本来の目的を明確にすることです。そうでなければ、あなたも、その他大勢の負け組の一人になってしまうでしょう。
冒頭でもお話ししましたが、私は投資家であると同時に、経営者でもあります。それが株式投資であれ、会社経営であれ何かを成し遂げようと考えるときは、かならず「何のために」という目的を考えます。
すると、面白いことに「いつまでに」「何を」「どれぐらい必要か」ということが見えてきます。具体的なイメージができあがり、かかる時間も明確になります。あとは成功するための行動を積み上げていくことで、自然と結果がついてきます。
1億円を達成したサラリーマンの話
一方、矛盾に聞こえるかもしれませんが、株式投資が難しいかというと、私はそうは思っていません。サラリーマンや主婦の方々に平等に与えられた、富を築くための、限りなくフェアな切符だと考えています。
現に、日経ヴェリタスが2017年に、「1億円長者の素顔」というタイトルで日本の個人投資家1000人に調査したことがありました。その結果、1億円を手に入れた投資家の3割が普通の会社員。つまり、サラリーマン投資家だということがわかりました。しかも、驚いたことに世帯年収1000万円以下が4割を占めます。
また、約8割が日本株を保有し、日本の「失われた20年」の間に、着実に資産を増やしていました。興味がある方は、ぜひバックナンバーを取り寄せるか、図書館などで調べてみると良いと思います。
さて、普通の読者なら、この記事を読んで、どう感じるでしょうか。おそらく、こう考えるのではありませんか?
「自分と同じ年収のサラリーマンでも、株で1億円稼げた。だったら、自分にも同じようにチャンスがあるに違いない」ーー。
もちろん、それはとても正しい考え方です。ただ一方で、私はこうも考えます。
「最初のステージで儲からずに足踏みしている投資家と、同じような境遇にいながら1億円を稼いだ投資家を分け隔てている壁は一体なにか?」と。
そうして、私が行き着いた答えが、「考え方」「見方」「やり方」を基本とした投資術でした。それも、できる限り短期間でマスターする。その期間の目安は、90日です。