背景に、深刻化するインフラの老朽化

 日本では1960年~1970年代に整備された道路や橋などのインフラが一斉に老朽化している。特にお金のかかる橋やトンネルの改修は費用の不足などから進んでいないのが現状だ。また、小規模自治体などでは専門技術者の不足からきちんとした点検がされていないところもある。

国土交通省の資料から 拡大画像表示

 国土交通省の審議会による「道路の老朽化対策の本格実施に関する提言」(2014年4月)によると、建設から50 年を超す橋の割合は2013年の18%から2023年には43%まで増えるとされている。トンネルも20%から34%になる予定だ。ただ、政府や自治体の道路整備予算が削減されるなか、財政難の自治体では、ただちに改修に取りかかれないままのものも少なくない。国土交通相の調べでは、自治体管理の橋が老朽化や変形などの理由で通行規制がかけられた件数は、2008年4月の977件から2018年4月には2559件まで増えた。

老朽化が一因となり、大きな事故も

 2012年12月、中央自動車道の「笹子トンネル」内で、天井のコンクリートが約130メートルに渡って崩れ落ちた。この落下に巻き込まれた乗用車などに乗っていた9人が死亡、長く通行止めになった。「道路の老朽化対策の本格実施に関する提言」は、この事故を「老朽化時代が本格的に到来したことを告げる出来事」と総括している。

AFP PHOTO / KAZUHIRO NOGI

(ハフポスト日本版ニュースエディター 錦光山 雅子)