会社に毎日のようにかかってくる営業電話。その中でも特に迷惑なのがNTTや東京電力、省庁の名をかたった公的(準公的)機関風なセールストークだ。しかも、中には詐欺会社だけではなく一般企業までもがこうした紛らわしい電話をしてくることもあるわけだが、そこに法的問題はないのか。フジテレビ系「バイキング」でおなじみの「弁護士法人・響」の徳原聖雨弁護士に聞いた。(清談社 角南丈)
NTTや東電の名をかたる電話
正体は電話機やブレーカーのリース
――プルルル。建設会社のオフィスに1本の電話が鳴る。
窓口担当者 「お電話ありがとうございます。××建設でございます」
男 「私、“電力会社”の検査をしている電気保安会社の○○と申します。電気のご契約者である代表者さまはいらっしゃいますか?」
窓口担当者 「ハイ…、失礼ですがもう一度御社名を伺ってもよろしいでしょうか」
男 「ですから、電気保安会社です!代表者さまに電力の検査の“説明”をさせていただきたいのですが」
窓口担当者 「か、かしこまりました。少々お待ちいただけますでしょうか」
この電話、実はブレーカーのリースを組ませようとする業者の“営業”である。
いわゆる、かたり営業というもので、社名を名乗らないまま準公的機関を装い、さも義務であるかのように社長や役員など決裁権を持つ管理者に電話をつながせて、商材を売り込もうとする営業スタイルである。
徳原弁護士によれば、こういった事例はほかにも多数存在するという。
「電力会社のほかにも、NTTの名をかたって電話機や複合機のリースを組ませ、さらには抱きかかえでネット関連のソフトまで導入させようとしてくる企業もあります。実際に被害に遭われて、私のところに相談に来る方も多いですね」
そして信じがたいことに、明らかな違法企業だけではなく、上場しているような一般企業までもが、こういったかたり営業をしてくることもあるのだ。