日本の上位5社を足しても、アマゾンの時価総額には及ばない
これらの企業を日本企業の時価総額と比較してみよう。日本企業で時価総額が最も大きいのがトヨタ自動車だが、それは5位のフェイスブックの半分ほどだ。その次にNTT、NTTドコモ、三菱UFJフィナンシャル・グループ、ソフトバンクと続く。
これら日本の上位5社をすべて足しても、アマゾンの時価総額7777億ドル(約78兆円)に及ばないのだ。
ちなみに、日本でアマゾンの競合と見なされている楽天は1.1兆円、アマゾンの当日配送から撤退したヤマトホールディングスは1.2兆円と、アマゾンから見れば吹けば飛ぶような金額である。
規模がまったく違うのだ。
GAFA+Mを合計すると、3兆6699億ドルに達する。これは、GDP世界4位のドイツをも凌ぐ規模になる。この5社がいかにアメリカ経済をけん引しているかを理解できるだろう。
ここで注目すべきなのは、彼らの成長スピードである。
まだその地位をつかんでからの歴史が浅すぎるのだ。アップルが、世界を変えたスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」を発売してからはまだ10年しかたっていない。
フェイスブックにいたっては、上場したのは2012年で、わずか6年前だ。アマゾンも、1995年生まれである。
比べて、日本の時価総額ランキング上位は100年企業が多い。ビッグ5の異質さがわかるだろう。
ビッグ5の中でもとびぬけた成長性
そのビッグ5の中でも、成長性から見てアタマひとつ抜けているのがアマゾンである。
アマゾンがこう言われる理由は、事業範囲の広さである。もはやアマゾンを「ネットの本屋さん」と思う人は少ないだろう。
アマゾンで本以外の商品を買ったことがある人は多いはずだ。
アマゾンは、創業当初からずっと地球上のあらゆる商品を扱う「エブリシングストア」を掲げ、急成長を遂げてきた。
とはいえ、1999年のアマゾンの業績を見てみると、会社全体の売上の8割は、アメリカ内の書籍の販売だ。