アマゾンは、「リアル」商店にも進出してきている

高級食材を扱うスーパーのホールフーズを買収したのだ。

鮮度が重要な食品を扱うことは、ネット販売とは遠い位置にあり、アマゾンの脅威にさらされず安全な場所だとみなされていた。

しかし、アマゾンがネットの枠を超えて乗り込んできただけに、業界の衝撃は大きい。

店舗といえば、2015年にはシアトルでアマゾンブックスというリアル店舗を出店した。

アマゾンによって消え去ったはずのリアル書店が再び登場したのだ。

さらに、完全テクノロジーの無人店舗、「アマゾンゴー」も開店した。

アマゾンゴーとは、その店内の商品を自由にバッグに入れ、店の外に出ると自動的に、アマゾンアカウントから代金が引き落とされる仕組みである。

店内には、あらゆる角度からカメラが仕掛けられており、多くの店員も必要ない。こうした技術で、一気に出店を拡大する可能性が高い。

コンビニも「アマゾンによる死者リスト」に入ってくるかもしれないのだ。

テクノロジー面なら、デジタル端末の「キンドルリーダー」、ネット動画をテレビで視聴できる「ファイアTVスティック」、音声アシスタントの「アマゾンエコー」などのハードウェアも独自に開発・販売している。

物流もすごい。アマゾンといえば「翌日届く」を思い浮かべるだろうが、顧客にいち早く商品を届けるためにトラックや飛行機を保有して、独自の物流ネットワークの構築に取り組んでいる。

しかも、築き上げた物流網を使って、アマゾンはアメリカの都市部で、自社の荷物以外の配送をスタートした。宅配便などの物流業者もまた「アマゾンによる死者リスト」に組み込まれるかもしれない。

法人向けの金融事業も手がけている。アマゾンマーケットプレイスに出店する企業に対して融資をするサービスをしているが、最近では銀行業に参入するのではとの観測も広まる。