「悪くはないが、すごく良い訳でもない」
日本経済の現状をデータでチェック

 経済全体の強弱を知るにはGDPを見るのが最もシンプルで分かりやすいのですが、この数字は前述の通り、4-6月期は前期比年率で+1.9%と高めの成長となりました。ただ、GDPは四半期に一度しか発表されないため、次の発表の11月まではその他の経済統計や業界統計をチェックする必要があります。

 景気の先行きを占う際に広く参照される経済データの代表格として、景気ウォッチャー調査があります。これは、「街角景気」とも呼ばれ、景気に敏感なタクシー運転手や小売店、メーカー、輸送業、広告代理店など、地域の景気の動きを敏感に観察できる立場にある約2000人を対象とした調査です。足元の景気の動向を最も敏感に表している指標と考えられます。

 さて、その「街角景気」ですが、7月は「現状判断」も「先行き判断」も前月と比べると悪化しています。同月に日本列島を襲った豪雨や猛暑の影響が出ている模様です。家計関連と企業関連に分かれてデータが集計されていますが、それらを見ると、家計関連の落ち込みが大きく、天候不順により一般消費者が外出を控えたリスクうかがえます。

 他には、百貨店やスーパー、コンビニ等の小売業の売り上げも7月分の数字が発表されています。データは前月比で+0.1%でした。豪雨や猛暑はありましたが、一方で飲食需要やエアコン販売が伸びたため、消費者の売買行動は影響をそれほど受けなかったと見られます。また、賃金やボーナスといった所得が伸びていることも、比較的堅調な消費を支えていると考えられます。

 もう1つ発表されている7月のデータには貿易があります。実質輸出は、前月比わずかに増加しているものの、4-6月期の輸出数量を▲1.3%下回っており(当社計算値)、弱めの数字となった印象です。なお、世界経済は現在までも堅調に推移していること、米国の開始している鉄鋼やアルミ製品への関税引き上げの影響はそれほど大きくないと見られることから、基調としての輸出は底堅く推移していると考えることが出来ます。7月の輸出の弱さも、豪雨や台風の影響が表れている可能性があります。

 以上が日本の企業を取り巻く環境です。一言でまとめますと、「悪くはないがすごくいいという訳でもない」といったところです。

 さて、それでは、企業部門の状況を確認しましょう。